profile
山本雅章
2003年、大阪大学大学院歯学研究科進学後、顎顔面補綴(がくがんめんほてつ)分野の研究と臨床に携わる。この分野の認知度を高めるため、学生への講義や学会での講演などで、顎顔面補綴の重要性を訴求するための活動にも従事。20年から、やまもとまさ歯科クリニックを開院し、地元の人だけではなく、遠方から足を運ぶ患者も多いという顎顔面補綴のスペシャリストとして知られる。
https://yamamotomasa-dc.com
※本サイトに掲載している情報は2023年2月 取材時点のものです。

INTERVIEW

学生実習時代に、師匠と慕う先生との出会いにより、顎顔面補綴(がくがんめんほてつ)治療の大切さを知りました。それ以来、大学で18年間この分野の臨床と研究に関わってきました。まだ認知度が高いとは言えないこの分野の重要性を大学だけではなく、地域に根ざした場所からも発信していきたいと思い、歯科医院を開業しました。今は、地域の健康を守るとともに、顎顔面補綴治療のさらなる発展を目指し、患者さんの治療や研究に力を注いでいます。

人に役立つ医療分野を極めていきたい

山本雅章

歯科医師になるため大学に入学した当初は、それほど多くの情報を持っていなかったので、他の学生と同じく、口腔外科の道に進みたいと考えていました。漠然とダイナミックな手術をする姿に憧れを持っていたのかもしれません。その考えを払拭させられたのが、大学最後の年に後に私が師匠と慕う先生たちと出会ったことです。これまで深く知る機会がなかった顎顔面補綴治療という分野を知り、「これが私のやりたかった医療だ」と心を射抜かれたような衝撃を受けました。

この分野は口腔がんや事故、先天奇形が原因で口の中の機能が低下してしまうことや見た目を整える必要がある場合に治療を施すものです。当初はどれほど重要な分野なのかは理解していませんでしたが、歯学部付属病院で従事していく中で様々な問題があることを知りました。一つは口腔がんの治療を行う医師の中にはこの顎顔面補綴治療について知らない医師があまりにも多いということです。

また、がん全体の総数と比較すると口腔がんは割合が低く、この分野自体が世間に知られていないため、治療を必要とする人に医療を届けられていないのが現状です。「この状況は絶対に変える必要がある」と思い、研究と臨床を続けました。結局大学には18年間在籍し、口腔がんの治療にあたることが多い耳鼻科の医師を集めた講演会をはじめ、学生に顎顔面補綴治療の重要性をレクチャーする講義なども務め、この分野の大切さを広める活動に注力しました。

  • 山本雅章
  • 山本雅章

街を基点に、地域の健康を守りたい。

大学からの発信ばかりではなく、身近な場所でも顎顔面補綴治療の重要性を広めていきたい。そして、自分たちが暮らす街にもこの分野に関してすぐに相談できる場所を作りたい。そう思い、2020年にこの歯科医院を開業しました。これまで関わってきた顎顔面補綴治療だけではなく、広く地域の医療に貢献したいとの思いも加え、毎日患者さんと向き合っています。そうした地域貢献への思いを伝えるため、複数の医院が入るクリニックビルの中に当院を作りました。これは口の中の治療を行っている際にそれ以外の体の健康が疑わしいという場合、すぐに他の分野の医院と連携を取りやすくするためです。距離が近ければ近いほど患者さんにとっては負担が少なく、スピード感を持って診察や治療にあたることもできます。

さらに、患者さんとのコミュニケーションも重要視しています。何気ない会話の中で患者さんの価値観や歯科治療における優先順位も推し測ることができ、その人にとってベストと思える治療を提供できます。最善の治療とは、患者さんの思いと合致しなければ成り立ちません。私たち医師の役割は、選択された治療方法でベストを尽くすことだと考えています。また、会話の中で健康に対する意識づけもできるという面もあります。例えば、一日に一度しかブラッシングをしないという患者さんには寝ている間に口の中の菌が増殖することやその菌が全身を巡って健康に良くないことなどを話しています。歯科医療をきっかけにその人の健康に対する意識も向上してもらえるように努めています。

このように治療行為だけではない取り組みも含め、地域全体の健康を守ることが当院の目標です。この取り組みや思いが広がり、患者さんから紹介してもらうことが増えました。ある人は「私のマンションの住人全員に先生のことを宣伝しておきます」とうれしいことを言ってくれました。中には、顎顔面補綴治療の評判を聞き、遠方から足を運んでくれる人もいるほどです。そうした人たちがかけてくれる感謝の言葉を聞くのが、何よりもうれしい瞬間です。患者さんの思いを裏切らないためには、一緒に働く職員をしっかりと教育し、とりわけ顎顔面補綴治療では重要となる腕の良い技工士とより強固に連携する。この二つを懸命に守り抜き、すてきな笑顔を見せてくれる患者さんを一人でも多く増やせるようにがんばり続けたいと思っています。

ページの先頭へ