profile
豊藏一幸
1972年生まれ、千葉県出身。95年帝京大学理工学部卒業後、株式会社新昭和にて7年間住宅販売営業に従事。そこでの実績が評価され、2003年ヘッドハンティングされる。2社目で常務取締役として赤字会社の再建に成功し、05年に起業。
https://nextinnovation.co.jp/
※本サイトに掲載している情報は2018年1月 取材時点のものです。

INTERVIEW

ネクストイノベーション株式会社は、注文住宅事業を中心に、訪問看護、幼児教育、大型ビル建築など幅広く行っています。複数の事業をホールディングス化することや、フィリピンに法人を構え海外進出を遂げるなど、上場に向けて着々と準備を進めています。変化の早い時代において、変革を続ける企業でなければ伸びていくことはできません。我々の理念はイノベーション。永続的に成長し続ける経営を目指しながら、様々な種類の事業を取り入れ、その時代にマッチした経営スタイルを貫いていこうと思っています。

挑戦に、工夫とスピード感を持って。

豊藏一幸

私は幼少の頃から、体も大きく、スポーツが得意でいつもクラスの中心にいるような子供でした。学生時代は決まった職業に憧れを持つことがなかったので、とにかく様々な仕事のアルバイトを掛け持ちしていました。某ハンバーガーチェーン店に勤めていた時は、社員登用の一歩手前のポジションまで登りつめました。社会の常識を早い時期から習得していた経験は、のちに社会人となった時、周りよりも一歩先を進んでいる感覚を持つことができました。当時はバブル崩壊直後で就職難の時代。理工系専攻であったこともあり、建築系の会社で、営業職以外での就職を目指して就職しました。しかし、希望に反して、営業職へ配属されたことは予想外の展開でした。せっかく営業になるのであれば、トップ3に入ってやろうという意気込みを持って社会人をスタート。たまたま全国の中でも成績優秀な先輩たちに恵まれたことで、2カ月目に契約をとり、4カ月目には計5棟を販売。全社でトップ10に入ることができました。

26歳の時、店長になると同時に、フランチャイズ加盟店のご子息を新卒で迎えることになり、教育を担当させていただきました。2年後、彼は家の事業を継ぐために退職したのですが、その事業が2億円の赤字を出しており、立て直しを手伝って欲しいと声をかけられたことが、私の転職のきっかけでした。戦場に出向くような気持ちで入社し、細かなヒヤリングからルール統制、チームワーク創成など再建に全力を尽くし、1年目で単年黒字化に成功しました。3年後に売り上げを3倍に伸ばした頃に、退職して起業することを決意しました。

時代はインターネットも普及し、スマートフォンが流通し始めたタイミング。閉鎖的だった住宅に関する専門的な情報が、一般の方にもわかりやすくなってきた頃でした。ネームバリューのある企業に人気が集まっていた時代から、情報を収集し、価格の相場やサービスの質などで判断しやすい時代になったわけです。リーマンショックが起こり、消費者の相場と質への意識が強まると、弊社の「大手に挑むため、質にこだわりを持ちながら、妥当な価格を追求する」姿勢に評価が集まるようになりました。直球勝負の姿勢を貫きながらも、検討対象の一社に食いこむための新しい戦略を常に模索し、チャレンジし続けてきました。法令が変わったタイミングでは、タイムラグが生じてしまいがちな大手に対し、小回りの利く体制を生かしてスピード感を持って対応することで、提案のレベルを格段に上げていきました。こういった、創意工夫にスピード感を掛け合わせて取り組む姿勢は社風となっています。

  • 豊藏一幸
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住宅を軸とした幅広い事業で、シナジー効果と社会貢献を。

創業時から、海外進出やグローバル企業を目指すことは経営計画に入っており、設計やCADを使った作業を海外に持ち出したいと考えていました。物件の中を実際に歩いて見ているかのように、多角的に写真を閲覧することができる3Dウォークスルーという手法は、弊社サービスの強みの一つですが、これを制作するのには大変時間がかかります。まずはこの作業から、海外進出をスタートさせることにし、2011年4月にフィリピンにて本格的にスタートをしています。すでに海外進出を遂げている住宅関連企業もありますが、その多くが海外で行っている作業は、図面をトレースするような簡単なものがほとんどです。弊社の場合は、海外にあっても、日本国内の建築事務所以上のクオリティーとも言える難易度の高い作業を行えるよう現地スタッフの教育を行い、稼働させています。チェック機能もきちんと設けているので、大きな不安やトラブルなく、ここまで進めてくることができました。

また弊社は、一見、住宅とはかけ離れたようにも思える領域でも事業を展開しています。一つは、幼児教育です。家造りの提案において、その目的の多くはお子様にまつわるものです。子育てをしやすい家はどんなものか、子供がのびのびと学べる環境はどんなものか、そういった疑問に子供の教育のプロが答えることができれば、大きな顧客満足につながると考えました。3歳までに脳の80%が形成されるといわれることに興味を持ち、0〜3歳までの教育を行うべく、幼児教育のお教室を開設し、さらには保育園も開園しました。

もう一つは、訪問看護事業です。高齢化によって、病院に空きがない状態が懸念される中、訪問看護の需要は高まってきています。介護や看護を目的としたリフォームを検討される方も多い中で、弊社の不動産事業を生かし、訪問看護を行いながら、住まいに関する相談も受けることができるのは強みになると考えたのです。こうした、社会に貢献できるサービスには今後もこだわって取り組んでいきたいと考えています。

ベンチャーではありますが、一つ一つのサービスを丁寧に作り上げてきたことで、社員のモチベーションや、お客様の信頼を積み重ねてくることができました。現在7法人あるところを、10法人に増やし、永続力のあるホールディングス企業を作ることが今後の目標です。目の前のことに着実に誠実に取り組みながら、未来を作っていくことを楽しんでいきたいと思っています。

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