profile
時田秀幸
1967年生まれ、兵庫県出身。 21歳の時にIT業界に飛び込み、必死で勉強を重ね39歳で起業。 株式会社ウィルモを設立。趣味は人材の育成。
http://www.willmo.co.jp/
※本サイトに掲載している情報は2016年11月 取材時点のものです。

INTERVIEW

仕事をしていると、失敗も嫌なこともあると思います。それでも目標を持っているなら余計なことは考えずに突き進むだけです。 成長するためには、前に進むしかありません。何もしないうちから権利ばかり主張する人がいますが、まずはひたすら突き進むこと。そうやっていろんなものが見えてきたら権利を主張すればいいと思います。

恵まれた環境の友人たちを目の当たりにして

時田秀幸

小学校に上がって間もない頃、シングルマザーだった母を病気で亡くし、伯父の家に身を寄せました。中学生までは武道に励んだりして過ごしていましたが、進路や将来のことは考えませんでしたね。高校に進学するのも漠然としか考えていませんでした。しかし、当時良く面倒をみていただいた担任の先生に背中を押され、ぎりぎりになって2次試験を受けて合格し、高校へ行くことができました。高校を卒業する直前に友人たちと遊ぶ約束をした時の事がとても印象に残っています。みんな車の免許を取っていて親に買ってもらった立派な外車に乗り付けて来たんです。「人は皆平等だ」と学校では教わったけれど、そんなことはない。人は生まれながらにして不公平なのだとこの時悟りました。それなら、生きている間に友人たちにどこまで追いつけるか挑戦してみようと思ったんです。それが私の原動力となりました。

IT業界に足を踏み入れたのは21歳の時。時代はちょうど昭和から平成に変わる頃で、ITはこれから伸びる産業として注目を浴びていました。高校時代からいろんなアルバイトをしたので自分の得手不得手はある程度把握していましたが、ITは決して得意な分野ではなかったですね。それでもこの業界に飛び込んだのは、不得意なことで成功してこそ努力した証になると思ったからです。得意なことで成功しても自分がどれぐらい頑張ったか見えにくいじゃないですか。才能に頼らない「努力の天才」を目指しました。入社するとさっそくプログラムを組まされました。研修もないので自分で勉強するしかありません。当時はネットもないので専門書を読みあさりましたね。寮に帰れば勉強して、気がつけば朝を迎えてそのまま出勤するような生活をしばらく送りました。未経験で拾ってもらったので、頑張ろうと必死でした。

この業界に入ってプログラミングをやれば自然とSE(システムエンジニア)やプロジェクトリーダーになれると思っている人が多いのですが、決してそうではありません。建築業界で例えるならプログラマーが施工会社でSEは設計士、プロジェクトリーダーは現場監督でしょうか。施工をやっていたらいつの間にか設計もできるようになった、なんてことはないですよね。SEやSA(システム管理者)、プロジェクトリーダーになるためにその都度一から勉強して、39歳の時に独立し起業しました。

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若いうちに「実のある」苦労を

いろんな業種のシステムを扱いながら会社経営のことは学びましたし、営業にも自信はありました。前職から私に付いてきてくれた信頼のおける社員たちもいます。あとは誠意が伝わればどうにかなると思いました。毎日必死で営業して初めて上場企業と取引が決まった時はうれしかったですね。受注が取れるだけでもありがたいことなのですが、地元大阪だけではなく東京にも支社を立ち上げたいと思っていたので、取引先も東京に支社がある上場企業に絞りました。目先の利益よりも数年先まで見据えるように心掛けていましたね。

大変だったのは起業4年目、リーマンショックの時です。2年目、3年目でためたお金で資本金を増やすことで銀行に借り入れができるようになって、どうにか乗り切りました。大手を訪ねても仕事はありませんから、この頃からエンドユーザーと直接やり取りをするようになりました。今抱えている一番の課題が、人を育てることですね。プログラムを教えるのは簡単ですが、リーダーを育てることの難しさを痛感しています。でもこれを達成できれば会社は自然と大きくなると思うんですよね。社員には「プログラムをやりたい」というより、「一緒に会社をもり立てていきたい」という気概を持ってほしいと思います。そうじゃないと仕事をしても面白くないんじゃないかな。自分が頑張ったから会社が大きくなったんだと実感できたらきっと楽しいですよね。私は月に何百時間も残業してきましたが、苦に思ったことはありません。いい財産になったと思いますし、その経験があったからくじけずにここまで来ることができました。

20代はいかに苦労するか、それに尽きると思います。苦労といっても、ただつらい思いばかりするのではなく、次につながるような、実になる苦労をすべきですね。若者の苦労を実のあるものにしてあげるのが上司であり、会社の役割だと思っています。若い人たちは目標を持って、これはできる、できないと線引きせずに、自分には無限の可能性があると信じて頑張ってほしいですね。そうすれば必ず芽は出ます。

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