profile
鈴木喜計
1951年生まれ、千葉県君津市出身。1973年から31年間、君津市役所環境部に奉職し、大気汚染・水質汚濁・土壌汚染・騒音・振動などの調査研究と防止技術開発に専念。課題解決のシステムを多数開発。 1980年からは、地下水盆管理と土壌・地下水汚染課題に特化した研究、地質汚染調査・浄化の創始に注力。各省庁の政府委員、東京大学先端技術研究センター客員研究員、千葉県史執筆委員なども歴任。2004年、君津システム株式会社設立。
https://www.kimitsu-system.com
※本サイトに掲載している情報は2023年8月 取材時点のものです。

INTERVIEW

私たちは今なお多くの環境問題に直面しています。私はこれからも地質汚染解決の第一人者として、正しい理念とそれに基づく知見・手段を駆使しながら、健全な大地・水・空気を誇れる国づくりに注力していきます。環境問題に限らず、何かに興味を持ち、勢い良くそれを突き詰めていけば、自ずと道は開けると信じています。

汚染された大地を再生させる

鈴木喜計

弊社は、地質汚染の問題解決を通じて、地球環境保全の構築を追求している企業集団です。公務員時の昭和50年代から、地下水と土壌の問題に特化して研究を継続し、地質汚染の分野を得手としていますが、大気汚染、水質汚濁、騒音、振動、悪臭、地盤沈下など、環境問題全般を熟知しサポートしております。現場ごとの状況に合わせたオーダーメイドの手法をとっているので、国内外問わずどんな現場にも対応できることが強みです。日本は世界的に見ても公害対策を率先して進めてきた国で、大気汚染や水質汚濁こそ無くなりましたが、大地に隠された過去の負の遺産が次第に明らかになるのが地質汚染です。
そこで弊社は、大地の汚染の4次元挙動を調査解明し、汚染物質だけを取り除いて健康な状態に修復することで、再び使える大地を増やしています。

私は農村集落である千葉県君津市に生まれ、集落の人々と大家族のように支え合いながら育ちました。鉄腕アトムを見たり野山を駆け巡ったりする中で、サイエンスに興味を持つようになり、大学では電子工学を学びました。東京の大手企業に就職内定していましたが、たまたま市役所の公害対策部が日本初の公害リモートセンシングをはじめるという公報を読み、急遽公務員試験を受けました。当時は高度経済成期の熟成期で、リアルタイムで公害現象を目の当たりにしていましたし、難解な仕事を完遂できるのは電子工学を修め郷土を守るのは自分だけだと信じたからです。

役所に入ると、市内に10ケ所ある大気汚染の自動測定局・通信機器・コンピューターの運用を担いました。目の前の空がどんどん綺麗になっていく様子を目の当たりにし、自分が管理するシステムがここまでの答えを出してくれるのだと感動したものです。もともと工学屋である私の「無ければつくってやろう」精神で、都道府県で共通利用できるソフトウエア開発や騒音振動自動演算装置など世に出し、一方、公害現象とヒトの健康問題を公衆衛生学の側面から研究し未だに継続しています。
地質汚染の調査・浄化手法の開発と実証は3年足らずで終え、その後、日本地質学会技術研修会で1000人超の研究者や技術者を世に送り出し、基準値や手法、法律や条例などの社会制度創りにも関与しました。

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失敗するから分かることがある

市役所では31年間一貫して人事異動を断り続け、徹底的に環境問題に携わりました。地球環境保全をライフワークにしてさらに追求すべく、理念・技術力・研究心を有する教え子だけを迎えて君津システムグループを創業しました。今注力しているのは、関わる人たちに「環境理念の共通認識」を持ってもらえるように話をすることです。日本は環境問題への取り組みにおいて先進国ですが、経済を優先させるがあまり課題もたくさん残っています。顧客企業様も、ビジネスの観点から時間やお金に制約を抱えていますが、汚染を修復するという共通目的を達成するためには、最も効果的な方法を選択しなくてはなりません。そのためにも、あらかじめ環境理念の認識を共有することが不可決なのです。

諸外国の多くでは、大気汚染は最大課題として存在します。これからは他国にも地球環境保全のベースとなるサイエンスを広げていきたいですね。各国の国土・社会制度・人種・言語が異なっても、サイエンスは普遍ですから。そのために、もっと情報を発信したり、私が習得してきた知見を具現化して見せていきたいと思っています。現状に満足することなく、新たなトライもして、新しい知見を得ていきたいですね。今はインターネットで調べれば簡単に答えが出てくるので、ついトライすることを怠たりがちですが、やって失敗するからこそ分かることがありますし、失敗するからこそ失敗しない手法も分かるのです。

今後も少子化は続きますが、若者の皆さんは人口が減っていく環境をチャンスと捉えるべきです。何をやりたいのかを考えて、思いを持ってそれに向かって行動を継続すれば、実現できる時代になってきたと感じています。日本人はもともと高品質を優先する気質なので、そこに付加価値をつければ国の経済は成長するでしょう。現代において、学歴はむしろ不要。大切なことは、基礎教養を修め、リテラシーを養い、応用力を発揮できる習慣を身に付けることです。それがあれば、自らの責任のもとで正しい判断と行動ができるようになるでしょう。話題のAI(人工知能)も含め、最新のツールを使いこなしながら、未来に向かって前向きに行動してください。

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