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鈴木達也
1978年生まれ、山形県出身。大学卒業後、スズデンホールディングのグループ会社である山形電気保安管理会社に入社し電気主任技術者として経験を積む。2021年、スズデン代表取締役に就任。電気工事業と太陽光発電事業を事業分割し、電気工事事業を事業譲渡したのち、太陽光発電事業を手掛けるスズデンホールディングを設立。
https://suzuden-hd.co.jp/
※本サイトに掲載している情報は2024年2月 取材時点のものです。

INTERVIEW

物心ついたころから父がスズデンの社長でしたが、私は父の跡を継ぐ考えは一切なく、グループ会社の一社員として定年まで過ごすつもりでした。ですから、父が急逝し後任として私に白羽の矢が立った時は「これからどうすればいいのだろう」と途方にくれました。心の準備も何もなくただ狼狽える私を助けてくれたのは、周囲のみなさんでした。周りの支えがなければ、すぐに立ち行かなくなっていたでしょう。「事業の根底は人にあり」を痛感しています。私は人に恵まれてここまで来ました。その恩に報いる為にも、人を大切にすることでより良い事業を行い、地域社会に貢献していきたいと思います。

根っからの技術者が、思いがけず経営者に

鈴木達也

私は元々、スズデンのグループ会社で電気主任技術者として10年近く働いていました。家業だからと何となく始めた仕事でしたが、働くうちに面白くなっていきました。技術者こそ自分の生きる道だと思っていました。

一方、本社の太陽光発電事業は、自治体とのやり取りや関連会社との連携、地域住民との折衝など人とかかわる仕事です。父亡き後、突然その事業のトップになって「技術畑しか知らない自分に一体何ができるのだろう」と頭を抱えましたが、残された社員たちの顔を見ると「泣きごとを言っている場合じゃない。代表になったからには、彼らの生活を自分が守らなくては」と気持ちが引き締まりました。父の思いを引き継ぐことができるのは、血のつながった自分しかいないという思いもあったかもしれません。この時の覚悟が、私を大きく成長させるきっかけになったと思います。

最初に取り掛かったのは、父が進めようとしていた事業譲渡でした。当時、スズデンには電気工事と太陽光発電の二つの部門がありました。このうち電気工事事業を大手企業に譲渡したのです。山形は田舎ですし、人口が年々減少する中でうちのような小さな企業が二つの事業をいつまでも続けていける保証はありません。従業員の生活のためにも大手の傘下に入った方がいいだろうという父の判断を、尊重しました。その後、残した太陽光発電事業一本で社名をスズデンホールディングと改め、新たなスタートを切りました。私には太陽光発電の知識がなかったので、当時の幹部や従業員、関係者のみなさんに何もかも教えていただきながら、どうにか舵を取ってきました。問題が起こった時は、常にみんなで一枚岩となって乗り越えてきました。特に現場の従業員たちは、言葉よりも行動で責任を果たす姿を見せてくれました。彼らを尊敬していますし、大切にしなければと心から思います。

  • 鈴木達也
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失敗を恐れずに、まずやってみることが大事

社内外の方々とささいなことでもコミュニケーションを取り、密に連携することで、信頼関係を築いてきました。今も、ちょっとした声かけを欠かさないようにしています。そうすると相手も「こうしたほうがいいと思うのですが」と意見を言ってくれるようになります。私だけでは思い及ばない様々な気付きがあるものです。

現在、山形、宮城、福島の3県に27か所の太陽光発電を設置しています。中小企業でありながらメガソーラー(1000kW以上)発電所を持ち、発電事業を営む会社は東北地方でも珍しく、山形県トップクラスの発電事業者だと自負しています。FIT(固定価格買取)制度終了後の事業の方向性がこれからの課題です。この先、発電所内のパネル増設や改修工事でさらに発電効率を高めることで事業の長期的な安定を図るほか、かつて私が所属していたグループ会社山形電気保安管理株式会社の他県展開や、発電所のメンテナンス事業なども考えているところです。発電所がある地域の企業に電力を供給すれば地元の産業に貢献できますし、温室効果ガスの排出削減にもつながるはずです。これからも事業を通して、愛着のある地元山形や東北地方の産業、人々に深くかかわることができればうれしいですね。

月並みなアドバイスかもしれませんが、とにかく思いついたらまずやってみようということを若い人たちに伝えたいと思います。例え失敗しても、その経験は決して無駄にはなりません。私も若い頃はいろんな失敗をしましたが、勉強になったことばかりです。知識として頭に詰め込むよりも、実地で学ぶほうが人生をより豊かにしてくれます。今の若い人たちは優秀です。さらに時間という貴重な資源を持っています。時間を有効に使い、人生を楽しんでください。

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