profile
佐々木健夫
1979年生まれ、福井県出身。2004年、八興入社。05年、佐々木電業社に転職。17年、同社代表取締役就任。学生の時に祖父を亡くしたことがきっかけで、祖父の偉大さに気付き家業を引き継ぐことを決意。入社当初は父の仕事を手伝いつつ、電気工事に関する知識をひたすら勉強すると同時に、佐々木電業社を選んでくれた社員の方々が気持ちよく仕事をできる環境をつくることに専念した。仲間や取引先など全てのステークホルダーとのご縁を大事にし、祖父の偉大な背中を追っていく。
https://www.sasaki-dengyosya.com/
※本サイトに掲載している情報は2021年11月 取材時点のものです。

INTERVIEW

生まれ育った福井の街が大好きなんです。都会のような刺激や便利さはありませんし、繁華街も早々に閉まり終電も早いのですが、その不便さが心地よいのです。夜は星がきれいに見えますし、時間の流れがゆっくりで、子どもをのびのび育てることができます。電気工事に携わる会社として、大好きな福井の街と人の心に明かりをともす役割でありたいと思っています。

地図に残る仕事ができる

佐々木健夫

祖父が佐々木電業社を創業し、私が子供の頃は両親が会社を切り盛りしていました。言葉を覚え始めの頃、「ナショナル」「三菱」などと家電メーカーの名前を口にしていたらしく「さすが電気屋の息子だね」と大人たちは感心したそうです。しかし電気屋になれと言われたことは一度もありませんでしたし、家業に関心があったわけでもなく、将来は警察官になりたいと思っていました。それでも周囲からは跡継ぎとして見られることが多く、中学生の頃には「自分が継ぐんだろうな」と思うようになっていました。高校生の時に祖父が亡くなり、葬儀で途絶えることのない弔問客の列を見て、この会社を守っていく責任の重さを感じたことを覚えています。

理系科目はどちらかというと苦手でしたが電子工学の道に進むことを決め、「日本の経済の中心を見てこい」という父の助言通り、大学進学を機に上京しました。就職活動は氷河期だったのもあり、大苦戦。実家で働くという手もありましたが、父も私もまずは家業以外の組織で経験を積むべきだという考えでした。エントリーシートを数十社に出した末、都内のビルメンテナンス業の会社に内定をもらいました。ホテルの客室設備スタッフとしてお客様と接する機会も多く、社会人としての人との接し方やマナーを学ぶ良い機会になったと思います。

体調を崩したことがきっかけで福井に戻り、実家で働き始めました。いきなり大きな仕事の責任者を任され、覚えなければいけないことばかりでしたが、やるしかありませんし、この大変さを楽しみたい気持ちでした。長時間必死に作業して、現場に電気がともった時の達成感は何にも代えがたいものです。もう10数年前ですが、最初に手がけた工事のことは今でも忘れません。明かりでステンドグラスが浮かび上がり、施主の方が「きれいだね」と喜んでくださったことが本当にうれしく、この仕事に大きなやりがいを感じました。また、地図に残る仕事ができるというのもこの職業の醍醐味だと思います。自分が建設にかかわった建物がグーグルマップに載って多くの人の目にとどまると思うと少しわくわくしませんか。

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会社、社員、顧客みんなで幸せに

病気がちになった父の「後は任せた」の一言で、社長に就任しました。実家に戻って12年目のことです。それまでBtoBの仕事が多かったこともあり、プロモーションに力を入れていなかったのですが、社会のインフラを担う企業としてのアピールが必要だと考え、WEBページを作成しテレビCMも打ち始めました。今は、父が大切にしてきた人とのつながりを生かしながら、顧客満足、社員満足の両方を実現できるように心掛けています。働く環境が良くなければ良い仕事はできないので、まずは社員満足からです。私がいくら仕事を取ってきても、現場で汗を流してくれる社員たちがいないと会社は成り立ちません。社員はかけがえのない大切な存在です。今まではその思いをちゃんと伝えることができていなかったので、日頃から社員たちへの声かけ、コミュニケーションを大切にしていきたいと思っています。

この2年は新型コロナウイルス禍で飲み会や社員旅行を実現できず、みんなでじっくり話す機会も減ってしまったので、社員一人ひとりにテイクアウトのクリスマスオードブルをプレゼントしました。人材不足の中、縁あってうちで働いてくれている社員たちへの感謝の気持ちです。社員は仕事も私生活も充実し、お客様は工事で暮らしや業務が快適になり、会社は顧客満足、社員満足の両方によって発展する。いずれも欠けることなく、全員の幸せが循環する経営を目指したいと思います。今後は、電気に関連する新しい技術や知識を身に着けることも必要でしょう。これから普及が見込まれる電気自動車や電気スタンドのことも勉強していきたいですね。電気という幅広い分野の、今までかかわりがなかった領域にもどんどん目を向けていきます。

若者の皆さんには、後悔のない人生を歩んでほしいと思います。元気とやる気と根性を持っていろんなことに挑戦してみてください。失敗したと思ったら一歩戻ってまた新しい道を探していけばいいのです。私も若い頃はそれなりに悩んだり苦労したりしました。同じ後悔でも「やっておけばよかった」後悔より「失敗したな」という後悔のほうがいいと思います。頑張ってください。

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