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小野田久視
1975年生まれ。大学卒業後にイタリア生活を経て、2003年に日本オラクル入社。新規事業開発、新製品立ち上げ、製品営業部門責任者、グローバルセールス部門を経験。2016年、SAPジャパンに入社。IoT、AI、ブロックチェーンなどのイノベーションの立ち上げに参画。2018年、株式会社dotDをSAP在職中に設立。スタートアップ支援事業の日本の立ち上げを行いながら、兼業起業家としてdotDを運営。2019年、dotDの事業を本格化。
https://dotd-inc.com/
※本サイトに掲載している情報は2025年1月 取材時点のものです。

INTERVIEW

私の経歴はほかの方に比べると、なかなか珍しいかもしれません。しかし、積み重ねてきた全ての経験が現在の私を形成しており、過去に後悔はほとんどありません。若い方々には今できることに全力を注ぎ、後悔のない人生を送ってほしい。そのための努力は断続的であったり、少なすぎる負荷では意味を成しません。何より大事なのは、適度な負荷をかけた上で習慣化すること。努力を努力と思う期間は苦しいと思いますが、前進しつづけることで成長を実感できるのです。

希少な経験は強みに、そして起業へ

小野田久視

大学生の頃、私はいわゆる普通の就活を突然やめ、イタリアへと渡りました。3年間フリーターとして生活をした後、日本に帰国。イタリアで使う言語はイタリア語のみだったので、英語が身についたわけではありませんでした。しかし、言語習得能力そのものが向上しました。また、ゼロベースでイタリアに行ったため、当初は友達をつくることが障壁に。そのような状況で生活していき、コミュニケーション能力も上がったように思います。MBAなど明確な能力の認定ではなくとも、レアな体験を通して独自のスキルと経験を積むことができたと今では思います。後に日本オラクルに入社するのですが、様々な国の人と連携できたのはイタリアの経験が大きく作用していたはずです。振り返ってみると、海外生活に加え、社会人経験をした上で起業をしたことは、私の能力から考えると最適な選択だったと思っています。実際、私は43歳で当社を設立したのですが、「より若い時期に起業するべきだった」と思うことはありません。一定の経験をした上での起業だったため、視野が広い状態でスタートを切れたのです。

当社はデジタルを活用した事業創造ファームとして、「あなたの思いを挑戦に変える」をコーポレートミッションとしています。「あなた」とは当社のお客様だけでなく、社員のことも指しているのです。もやもやと抱えているアイデアを「思い」とし、実際のサービスや事業、プロダクトに落とし込んでいくことを目標にしています。社員には、徹底的に考え抜いた上で行動することを日々促しています。その結果として、社員が人生の代表作を当社でつくることができれば私としては本望です。一方、予算が限られている中で企画を実現するには、献身的な努力と熱量が鍵になります。企画内容はBtoBやBtoC、ガバメントのサービスでも構わない。一人ひとりの「思い」が当社で形になってくれることを切に願っています。

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小さな積み重ねが大きな”成長”に

人生で何かをやり残して後悔しないように、その時々でできることをしっかりと続けること。当然のように思えるでしょうが、非常に重要なので日々意識するようにしています。実際、私は自分のやりたいことリストを20代の時から作成しています。身近なことから壮大なことまで書き溜め、最終的に160個ほどあるのですが、まだ3分の1ほどしか実現できていません。成し遂げていないこともある一方、成し遂げてきたことも目に見えるので、やりたいことのリスト化はぜひ試してみてほしいです。

過去を振り返ると、それぞれの年ですべきことをしてきた結果、失敗したこともありました。しかし、しなかったことの後悔はあっても、してきたことに後悔はありません。とはいえ、自分の内面的なコンディションや外部の環境は刻々と変化するもの。その中でもできることを一つずつ進め、ゴールから逆算をした上で計画的に生きていくのが重要です。また、自分の50%の能力でできることを続けても成長にはつながりません。本来の自分にプラス20%のストレッチでできることを続けるのが、成長の秘訣といえるでしょう。

また、着実な努力で得られる成長があります。言い換えれば、継続力をもって努力を習慣化しなければ成長することはできません。具体例をいうと、私は毎週一冊ビジネス書を読むことを習慣にしています。その習慣を続けて約20年が経ち、読み終わった本は1000冊以上に。できることから始めた結果、大きな成果になっていることもあります。とはいえ、いきなり1000冊の読破を目指すのは大変です。まずは一歩ずつの歩みを大切にし、習慣力をつけましょう。

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