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名村晋治
1975年生まれ、兵庫県出身。1996年Web制作集団ネイムヴィレッジ立ち上げ、2000年株式会社ネクスト(現:株式会社LIFULL)入社。05年株式会社ソナー入社、06年株式会社ソナー役員就任。10年株式会社サービシンク創業、代表取締役就任。19年一般社団法人不動産テック協会理事就任。
https://servithink.co.jp/
※本サイトに掲載している情報は2025年1月 取材時点のものです。

INTERVIEW

「サービシンク」という社名は、“サービスを考える”からの造語です。この社名を作ったときから、お客様のサービスを良くする道筋の近くに居たいと思い続けてきました。これからの時代は、Webサイトやリアルのものだけでなく、AI(人工知能)・VR(仮想現実)・AR(拡張現実)など様々な手段がありますから、お客様の事業やサービスが世の中にうまく届く方法を柔軟に考え続けていきたいです。

不動産業界特化型のWeb制作

名村晋治

当社は「Web制作で困りごとを解決する企業」として、Webサイト制作、システム開発・運用、機能実装など、幅広いサービスを提供しています。特長は不動産業界に特化していることで、お客様の95%以上は不動産会社です。不動産業界には独自のシステム・ルール・業務フローが多数存在し、法令に縛られている部分も大きいのですが、当社はこれらを当たり前に理解した上で制作できることが強みです。インフラエンジニアも在籍しており、3億円程度までの大型システムも開発可能です。当社は全てワンストップサービスで、ターゲットの設定や機能の構想など企画作りの段階からサポートし、Webサイト完成後の運用までご一緒しています。新しい機能を追加したり、デザインを変えたりする追加のニーズにも対応しており、10年以上のお付き合いになるお客様もいます。

お客様によくお伝えしているのは、便利で洗練されたデザインだからといって使い勝手が良いわけではない、ということです。多機能なシステムよりも、ボタンの少ない単純なシステムの方が使いやすいケースもあるのです。この「デザイン性」「機能性」「使いやすさ」のバランスを客観的な目線で考え、常にユーザー目線で「自分だったら使いやすいか」を考えながら制作しています。不動産業界のWebサイトには独自のセオリーがありますが、当社は業界のセオリーではなく、一般利用者の感覚を大事にしています。いわば、「永遠の素人」であろうとしているわけです。

Web制作を始めたのは大学生の頃で、友人から大阪の呉服屋のWebサイトを一緒に作ろうと誘われたことがきっかけです。当時はまだ、Webサイトをつくる企業はめずらしい時代でした。そのころ私は役者を目指していて、大学と役者養成所に並行して通っていたので、それで起業しようとは一切考えていませんでした。大学卒業後は役者を目指して上京しましたが、生活が厳しくなってしまい、ベンチャーの不動産情報サービス会社でアルバイトとして働きはじめました。アルバイトながらWebディレクターとして企画立案・デザイン・実装・客先へのプレゼンなど幅広い仕事を任せてもらえて、勉強になりました。

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今後はAR(拡張現実)に注目

上京時に父と「30代になっても芽が出なかったら役者を諦める」と約束していたため、結局30歳手前で役者を辞めその会社で正社員になりました。退職後は他の制作会社で役員を務めましたが、もともと私は役者をしていたくらいなので、アイデアや思いを形にしたい気持ちが人一倍強く、お客様と膝を突き合わせながら共に創り上げていく感覚が忘れられず、再び個社様と向き合う形態で仕事したいと思いました。当時35歳、結婚して子供が生まれたタイミングだったこともあり、一念発起して当社を創業しました。創業当初は全然仕事がなく、小さい仕事をやりながら、徐々に大型案件を獲得して行きました。「ちゃんと納期に間に合うのか?」と常に必死でしたし、試行錯誤しながら無我夢中でやっていました。

私たちが一番大切にしなくてはならないのは、語弊を恐れず言うなら、私たちの直接のお客様ではなく、お客様の先にいるお客様です。このエンドユーザーのことを考えていたら、私たちのお客様は絶対にもうかるはずなので、この焦点は絶対にずらさないようにしています。必要なときは、何時間かかってもお客様としっかり協議します。ただ言われた通りに作るだけなら、私たちは単なる作業者です。プロとしてノウハウを発揮しながら、真のバリューを提供し、お客様の事業の成功を実現するチャネルの一つを作りあげる。この思いと覚悟は、Web制作を始めたときからずっと変わりません。譲れないモットーです。

近い将来「Webをブラウザやスマホで見る時代は終わる」と思っているので、今はAR(拡張現実)・MR(複合現実)の分野に注目しています。先日、ラスベガスで開催されたCES2025という世界最大のテクノロジー展示会に行き、最先端の技術や製品を調査してきました。既にスマートフォンの代わりにデジタルコンテンツを現実空間に映し出すハードウエアは製品化されていますが、今はまだゴーグル型で使いにくい。眼鏡型に進化したら、私たちのソフトウエアを搭載してもらうために事業化するつもりです。私のMy Roadは、「サービスを考え続けること」です。世の中はどんどん移り変わっていきますし、当社も今後Web制作事業を無くすかもしれませんが、お客様の事業を世の中にうまく伝える方法を考え続けていきます。

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