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永井孝資
栃木県出身、1980年生まれ。2005年、株式会社永井園に入社。地道な営業活動で実績を積み、栃木名産のレモン牛乳を使った菓子など数々のヒット商品を世に送り出す。13年の専務就任時に直面した倒産の危機を、徹底した経営改善により7年で黒字化させ克服。21年、先代である父の急逝に伴い代表取締役に就任。現在は父の遺志を継ぎ「感動を与える」を理念に、自社工場の稼働や飲食事業など、地域活性化を見据えた多角的な経営を推進している。
https://nagaien.com/
※本サイトに掲載している情報は2025年5月 取材時点のものです。

INTERVIEW

世の中にない面白いものをつくりたい、その思いで新商品を開発しています。苦境を乗り越え、ここまで会社が成長できたのは、発想から生まれる楽しさと面白さがあったからです。歴史ある弊社を次の世代に継承していくために、これからも私自身が楽しみながら、感動を与えることと、社員を大切にすることを貫いていきたいと思っています。

倒産の危機を乗り越えて

永井孝資

弊社は祖父が1956年にお茶屋として創業し、現在は観光土産品の企画や卸売を展開しています。全国の観光地小売店及び、空港・駅・高速道路内売店・ホテル・テーマパークなどと取引しており、JR栃木駅前に永井百貨店という直営店も持っています。私たちの強みは、他にはないユニークな商品を開発していること。栃木名産のレモン牛乳を使ったお菓子や「イチゴカレー」「餃子サイダー」は、発売から10年以上経った今もロングセラーとして支持されています。新商品の開発や新事業の開始は、思いつきと直感です。まずやってみて、ダメならやめればいい。特に土産品は心を動かすことが大事なので、味は二の次でもいいと思っています。

幼少期は引っ込み思案で、本当に喋らない子どもでした。小学校からサッカーをしていましたが、高校1年生で辞めてからは少し道を外れ、とりあえず大学に進学したものの、勉強が嫌いで途中で退学してしまいました。当時は家業を継ぐ気も全くなく、大学中退後はフリーターをしていましたが、安定した収入を求めて弊社に入社しました。入社当初は、社員たちから先代の社長である父の息子として扱われ、ものすごく嫌でした。もともと人見知りなのであいさつもろくにできず、お客さんからの評判も悪くて辛い思いをしましたが、負けず嫌いの性格を発揮し、相手にしてくれないお客さんの元に根気強く通いました。そうしているうちに徐々にまわりが認めてくれるようになり、営業成績も上がってきて、どんどん仕事が楽しくなっていきました。

所長に就任してからは、会社経営に真剣に向き合いはじめました。私としては社員がより楽しく仕事できる環境に変えていったつもりでしたが、思いが伝わらず、ほとんどの社員が辞めてしまいました。専務取締役に就任した2013年には倒産の危機に陥り、銀行からの融資も全て止められてしまったので、経営再建に全力で取り組むべく、経営コンサルタントを入れて問題点と課題の解決に必死に取り組みました。今では当時の記憶がないほど忙しく働きましたが、7年で黒字化に成功し、働き方改革を実施したおかげで離職率も大幅に下がりました。

  • 永井孝資
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先代の思いを継ぐ

父の病気をきっかけに、後を継ぐ形で2021年に代表取締役に就任しました。今私がやっていることは、私がやりたいことではなく、父がやりたかったであろうことを形にしているのです。これからも、「父だったらこうしたいだろうな」と想像しながら、父の意志を形にしていきたいと思っています。今大切にしていることは、当たり前のことに当たり前に取り組むこと。これも父の教えです。今はとにかく、社員に「この会社で働いていて良かった」と思われる会社づくりに注力しています。私は散々な思いをしてきましたが、基本的に仕事は楽しくやるものであり、あえて理不尽な環境に耐える必要はないと思っているので、理不尽な取引先や互いにwin-winな関係を築けない取引先との関係は続けないようにしています。

2024年には、新規事業として宇都宮市にホルモン焼肉屋「永」を開業しました。今後の展望は、2045年までに売り上げ100億円を達成すること。それを実現するべく、2026年2月に自社工場の稼働を開始する予定です。卸売業は利益に限界がありますし、現行のお土産品は中身が同じでパッケージだけが違うものも多いので、自社工場で自社ブランド製品を製造することで利益率を高めつつ、手に取った人の心を動かす商品をさらに増やしていきたいです。地域とのつながりや地域の活性化も重要で、生産農家との連携も進めています。今後は被災地支援などの社会貢献活動も行っていきたいですね。

人生には、本当に色んなことがあります。私も会社も本当に厳しい状況が何度もありましたが、絶対に諦めない強い意志を持ちながら努力を続ければ、必ず道は開ける。私はそう信じています。小さなことを一つひとつ積み重ねながら、一つひとつ課題をクリアしていけば、必ずその先に明るい未来が訪れます。苦境を抜ける道は必ずありますし、困難の中にも必ず希望の光はあります。若者の皆さんにも、その光を信じて、失敗を恐れずに挑戦を楽しんでほしいと思います。一度きりの人生、後悔のないように自分らしく全力で歩んでいってください。

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