- 村上太一
- 1986年、東京都生まれ。小学生の頃「将来は社長になる」と決意。高校在学中に起業準備として簿記二級、情報処理技術者試験などを取得。早稲田大学政治経済学部在学中の06年にリブセンスを設立し、アルバイト求人情報サイト「ジョブセンス」を開設。 12年10月には史上最年少での東証1部上場を果たした。
- https://www.livesense.co.jp/
会社名の「リブセンス」は、直訳すると「生きる意味」です。高校生の頃、ふと「私はなぜ生きているんだろう」と思ったんです。簡単に答えを出せるテーマではありませんが、生きていくうえで誰もが幸せになりたいと願っています。幸せを感じるために自分がこれまでにどんな選択をしてきたかを考えれば、生きる意味は見えてくると思いました。そして私の場合、人に喜ばれることが何より幸せなことだと気付きました。リブセンスはその幸せを実現し、さらに最大化するための会社でもあります。 経営理念は「幸せから生まれる幸せ」。多くの人に幸せになってもらうサービスを提供することで私たち従業員も幸せを感じ、それが最終的に社会に良い影響を与えると考えています。
子供の頃は一年中、半袖・短パンで過ごしていました。足元は素足にビーチサンダルです。周りからは「変なやつだな」と思われていましたね。だから、変だと思われることには慣れているのかもしれません。「人と違う行動をしても恥ずべきではない。恥ずかしさに負けてはだめだ」とずっと思っていました。
社長になりたいと思うようになったのは、小学校高学年の頃からです。高校3年生の頃には起業に向けてメンバーを集めたり簿記やシスアドの資格を取ったり起業セミナーに参加したりと、本格的な準備を始めていました。
ジョブセンスのビジネスモデルを思いついたのはアルバイトを探していた時のことです。街を歩けばいろんな店先で「アルバイト募集中」の張り紙を見かけますよね。でも、ネットで検索してもその情報は出てこないんです。不思議に思い調べてみると、求人広告を出すのに掲載料が必要だと分かりました。ウェブサイトですべての求人情報を網羅しているわけではないんですよね。アルバイトを募集しているお店はたくさんあるのに、その一部しかネットに載っていないのは、ユーザーにとっては不便です。これを解決するにはどうすればいいか考えた結果思いついたのが、掲載料無料の成功報酬型のビジネスモデルです。
大学1年生の時にビジネスプランコンテストで優勝して、その特典としてオフィスを1年間無料で使用できる権利を得ました。そして会社を設立したのが翌年の2月です。ところが、いざ始動すると苦労の連続です。起業1年目は散々でした。既存のビジネスモデルではないので、様々な指摘も受けました。「大手がやっていないのには理由があるんだよ」とか「学生の考えそうな浅はかなアイディアだ」などと批判され、私は社会をなめていたのかなと落ち込んだりもしました。先が見えない苦しさから、もうやめようかと思ったこともありました。
こんなに苦しいのになぜ会社をやりたいのだろうと改めて考えた時に、「人を喜ばせたい」という原点を再確認したんです。それからは迷う気持ちはなくなりました。その後ビジネスモデルを変更し、採用が決まったユーザーに「採用祝い金」を贈呈するシステムを導入したのをきっかけに事業を軌道に乗せることができました。12年10月には東証一部上場を果たしました。起業するからには大きくて価値のある会社をつくりたかったので、上場を目指すのは自然なことでしたね。外部から様々な声を頂く機会も増えますし、上場の基準を満たす過程で会社も私自身も成長できるチャンスだと思いました。
求人業界は大きな市場ですがその中でナンバーワンでありたいし、さらにオンリーワンの要素も併せ持つことができればと思っています。「こういうのが欲しかった!」と人に喜んでもらえるようなものをつくっていきたいです。
私もまだ若者ですが、私がある程度の成果を出せたのは、やりたいことが明確だったからだと思っています。みなさんも将来何をやりたいのか、どんな人生を生きたいのか自分自身に問い続けて、やりたいことを見つけてください。
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