profile
三上信久
1954年生まれ、青森県北津軽郡出身。85年、弘前大学医学部卒業、札幌徳洲会病院に入職。94年、八戸平和病院に入職。同年、下長内科クリニックを開業。所属学会・認定医は、日本東洋医学会漢方専門医、日本内科学会、日本救急医学会、日本超音波学会。2024年、著書『サラサラ血液を手に入れる 血流“劇的”改善法』(幻冬舎)を上梓。
https://www.shimonaga-naika-cl.com
※本サイトに掲載している情報は2025年4月 取材時点のものです。

INTERVIEW

私のMy roadは、「好きなことをして、後悔のない人生をおくる」です。好きなことをやっていれば、忙しくてもストレスや苦痛がありませんし、何より人生は短いので、好きなことをやって生きていくのが一番良いと思うのです。人生は大きな壁が現れることもありますが、その壁を恐れずに、体当たりして突き進んでいきましょう。

東洋医学に傾倒して

三上信久

青森県八戸市で内科クリニックをしています。診察科目は、内科・神経内科・消化器内科・皮膚科で、19床の入院設備もあります。特長の1つ目は、西洋医学だけでなく東洋医学の漢方薬を両立させていることです。当院では西洋医学の風邪薬は一切処方したことがなく、漢方を処方しています。初診の患者さんは驚きますが、漢方薬の効果を体感して次回も当院にいらっしゃいます。2つ目は、24時間診察の体制を整えていることです。真夜中の急患にも対応できますし、頭痛を訴えていればすぐにCT検査をできます。地域の皆さんにとって使いやすいクリニックだと思います。

私が医者を志したのは、社会人になってからです。大学の工学部を卒業後、金属関係の会社に就職しましたが、入社半年で希望退職の募集がかかってしまいました。私はどうしてもその会社で働き続けたいわけではなかったので、これを機に情熱を持てる職業に就こうと、医学部進学を決意しました。実家に戻って浪人もしましたが、両親は応援してくれました。医学部に入ってからは、学部で学ぶ傍ら「東洋医学研究会」を自らつくり、漢方の経験がある先生に師事しました。世の中には西洋医学では対処しきれない苦しみがあるので、西洋医学だけに頼る治療に限界を感じていたからです。いまだに医療界は西洋医学が主流で、日本の医学部で東洋医学を教えるようになったのは10年くらい前からなので、当時は自ら勉強するしか術が無かったのです。

卒業後は、2つの病院に勤めながら開業のタイミングを探りました。通常の医学生よりも6年遅れてスタートしたので年齢的なハンディがあり、早めに開業したいと思っていました。決心したのは40歳のとき。資金調達の面で苦労しましたが、地域医療に貢献したい思いで乗り越えました。開業日は患者数がゼロで不安でしたが、24時間診察や漢方治療の強みに自信があったので、初診の患者さんをひたすら待っていました。一度診察すれば、その患者さんがずっと来てくれたり、紹介で新患が増えていったりすると考えていたのです。その冬にインフルエンザが大流行したことで患者数が爆発的に増え、そこから経営が軌道に乗っていきました。

  • 三上信久
  • 三上信久

血流改善法を広める使命

大切にしていることは、治らない治療はできるだけしないことです。治らない治療とは、虫歯の患者に痛み止めだけを投与したり、不眠症の患者に睡眠薬だけを投与したりすること。それでは患者さんは同じ苦痛を繰り返すだけなので、症状の原因をよく考えて根本治癒を目指しています。その意味でも、当院では開業以来30年間、入院患者に解熱剤を使っていません。そもそも、発熱はウイルスや細菌などの異物に対する抗病反応なので、解熱剤を使ってしまうとせっかくの抗病反応を止めてしまうのです。実際、これまで入院した1000人以上の患者さんは、解熱剤を使わなかったからこそ回復傾向が良好でした。私自身も私の子どもたちも、風邪をひいても漢方薬しか飲みません。

そして、現在はワーファリンを使った血流改善法に注力しています。開業してから10年ほど経った頃、心臓の苦しさを訴える患者さんが来院しました。その方は八戸市内のほとんどの医療機関を回っても原因が分からなかったのですが、私は昼夜問わず根気強く対峙し続けたところ、あるときそれが血流状態の悪さが原因だと気付いたのです。そこから血流を良くする薬で治療したところ、無事に3年で改善しました。これがきっかけとなり、血流改善法を進めています。また、カルシウム不足が様々な疾患の原因となることも啓発し、予防医療の重要性を訴えていきたいと考えています。カルシウムが不足していると、急な血圧上昇や蕁麻疹を引き起こすことがあるのです。

今後の展望は、私の治療法を広めて多くの患者さんを救っていくことです。2024年に『サラサラ血液を手に入れる 血流“劇的”改善法』を出版しました。本書では、むくみ・しびれ・痛みなど原因不明な体調不良を抱える人たちに向けて、その解決策となる血流改善治療法と、予防のために実践できるセルフケアを紹介しています。ドクターにはもちろん、患者さん自身にも血流改善法を知っていただき、患者さん側からドクターを啓蒙してもらえたらうれしいですね。この本を書くために私の人生があったとすら思っているので、神の導きに感謝しています。70才を過ぎましたが、最低でもあと10年は現役の医師として頑張っていきたいですね。

ページの先頭へ

Loading...