- 松岡武志
- 京都府出身。中央大学法学部卒業後、新卒で大手IT企業へ入社。2008年にメディカルレビュー社へ入社、中国にて北京支社の立ち上げを行う。帰国後の16年、18年、19年に関連会社3社の代表取締役に就任。20年からメディカルレビュー社の代表取締役に就任し、現在に至る。
- https://m-review.co.jp/
私の道しるべは、仲間を思うことです。グループ企業を含めると社長業に従事して8年が経ちます。社長業は真っ暗な孤独と途方もない葛藤と底知れぬ憂鬱の連続です。これほどまでとは想像していなかったほどです。ただ、その全てを忘れさせるのは慕ってくれる仲間の笑顔です。仲間の安心と安全を守ることを生きがいに、これからも無償の愛で仲間を思うことをつき詰めていきたいと思います。
私たちは、医学医療知識をもとに製薬会社のマーケティング支援を行う会社です。正しい医学医療情報を多くの人々に伝える情報発信と、新しい治療薬が医師、医療従事者に正しく、迅速に理解され、患者さんに適切に処方されることを考える仕事をしています。治療薬の処方は人の生死に関わる可能性があります。一つの視点からの情報だけが語られることがあってはなりません。私たちは医師、医療従事者、医療関係者とも密にコミュニケーションを図り、正しい情報を提供することを徹底しています。創業40年来、多くの人から厚い信頼をいただいています。
社員たちには、「知識がないことを恥ずかしく思い、知恵が出ないことを悔しく思え」と言っています。物事の本質を知らなければ、正確なアウトプットはできません。私たちは医学医療について、マーケティングについて、毎日勉強し続けています。そして本質の追求のために努力を惜しみません。私たちが制作した医学教育コンテンツが医療現場で読まれたり、視聴されたりしたことが、最終的には誰かの命を救うことにつながっていると信じています。私たちの仕事は人を救うという大きな価値があると思っています。
大学卒業後は大手IT企業に入社したものの、数カ月で退職することになり、自分が社会の役に立つためにどうすればいいか悩む時期もありました。父が創業した今の会社に入社した後は、会社の未来を考えるようになりました。当時のメディカルレビュー社は昔ながらの出版社体質で、いわゆる斜陽産業の中でもがいていました。一方で、私たちの事業である医学情報提供ビジネスは世の中から無くなることはなく、むしろこの先より重要視されることは確信していましたので、斜陽産業からの脱却の活路はあると思っていました。自ら社長になることを志願し、来たる時代にも生き残れる事業形態にシフトすることにしたのです。
私が社長就任後に最初に取り組んだことは、社内のデジタル化です。アナログな対応が多かった社内風土を約90%ペーパーレス化し、紙の方が便利なこともあえてデジタル化しました。時代の先端を体験してみて、合わなかったら元に戻せばいいと考えました。新しいことにチャレンジしていれば、クライアントに新たな提案するときに説得力が増すと思ったのです。何事も変化を恐れないという姿勢が、会社を変えていきました。出版業だけをやっていた頃にはできなかった、デジタル事業での依頼も引き受けられるようになりました。
今注力しているのは、社員同士のコミュニケーションです。新型コロナウイルス感染拡大以降は、在宅勤務もとりいれていますが、出社を禁止としているわけではありません。私は毎日出勤して「会社に来たかったら来てもいい」と伝えつづけました。私たちは家族ではありませんが、仲間であることは確かです。仲間がいれば頑張ろうと思えるし、より深いアイデアや知恵が生まれます。一緒に働く社員が幸せになることこそ、会社の成長につながり、世の中に良い価値を提供できると考えます。そのためにも地道なコミュニケーション活動を続け、仲間との信頼関係を模索し続けていきます。
今後は、これまで蓄積してきた知識を患者さんやその家族に直接提供すること、例えば、難しい医学情報を分かりやすいアニメにしたり、リアルのイベントで伝えたりしていきたいと考えています。人生100年時代において自分の体を自分で知り、QOL(クオリティー・オブ・ライフ)を上げることは非常に大事なことです。そのために、私たちのような歴史と実績がある会社が、世の中に正しい情報を伝えていかなくてはなりません。「メディカルレビュー社の情報なら安心だ」と思ってもらえる存在であり続けたいです。想像したことは必ず実現できます。また、人との付き合いは無限の可能性を引き出し、あなたの明日を豊かにしてくれます。大切な人を大切にしてください。人として当たり前のことを当たり前に出来る人になってください。新しいことに挑戦している皆さんに心からエールを送ります。
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