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桑原雄一
1980年生まれ、静岡県出身。東京理科大学を卒業後、独立系 Sler(システムインテグレーター)、ベンチャー系パッケージベンダーを経てアクセンチュアに入社。2010年に独立し、株式会社モノクレアを設立。
https://monocrea.co.jp/#/
※本サイトに掲載している情報は2018年11月 取材時点のものです。

INTERVIEW

新しいことを始めた時、しばらくは自分の思うようにできなくてつまらないものです。それでも続けていると、どこかのタイミングで必ずできるようになってきます。そして、それが誰かの役に立ったり感謝されたり対価を得たりすることにつながってくると、しんどさも乗り越えられると思います。私もそれがモチベーションになっていました。

新人時代はプログラミングやシステム開発の勉強に没頭

桑原雄一

父が航空部品会社でエンジニアの仕事をしていて、毎日必ず定時に帰ってきて家族みんなで食卓を囲んでいました。「残業が偉いという風潮はおかしい。時間内にきっちり仕事を終わらせて帰るほうが偉いのに」といつも話していたのを覚えています。私は自分から机に向かうタイプではありませんでしたが、理数系の科目は得意だったので、理科系の大学に進み応用物理学科を学びました。学生の頃は習い事も続かずこれといった特技もなかったので、一芸に秀でた友人を羨ましく思っていましたね。だから、社会に出るときは最初に選んだ仕事を一生続けよう、その仕事で一流になろう、という気持ちでITの職種を選び、システム会社に入りました。

入社前からJava(プログラミング言語の1つ)の勉強を始め、新人研修の時にはかなりできるようになっていたので、同僚に教えたりしていました。少し生意気な新人だったかもしれません。時間にも余裕があったので、IT系の資格を2年で4つ取り、休日もほとんど予定を入れずに自宅でひたすらプログラミングやシステム開発の勉強をして過ごしました。その後転職したベンチャー企業では、ベテランばかりのチームにいきなり放り込まれました。プログラムを作ったり動かしたりすることは誰でもできますが、ここではそれを全体に展開できるように整合性を持たせて美しく作ることの奥深さを知りました。手取り足取り教えてもらえるわけではないので、見よう見まねで必死に覚えました。大規模なシステム開発も見てみたかったので、次に大手企業のアクセンチュアでも経験を積みました。

独立は29歳の時です。当時出始めた技術を使ってWebサービスを作ってみないかと同僚に誘われ、仕事の合間にプロトタイプ開発を始めたのがきっかけです。もともと30歳前に独立することを目指していましたが起業するというよりフリーランスになるつもりでした。具体的なビジネスモデルはありませんでしたが、「人の役に立つことでお金を頂きたい」という思いはありましたね。

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全工程をこなせるフルスタックエンジニアが理想

ちょうどその頃米国はITバブルで、SNSやゲームアプリでいろんなベンチャー企業が台頭し、急激に成長していました。華やかな世界に憧れないわけでもありませんでしたが、名誉や成功のためにビジネスをするというのは性に合わないですね。しかし、実際には貯金が目減りしていく状況が半年ほど続いていました。30歳を過ぎて結婚したり家を買ったりすることを考えると正直「アクセンチュアに残ったほうがよかったんじゃないか」と不安に思っていたのも事実です。半年経った頃、前職のシステム開発の仕事を手伝い始めたことでようやく軌道に乗り始めました。最初の3~4年は一人でやっていましたが、大きなプロジェクトにもかかわる機会が増え、法人化して人を雇うようになりました。

私たちはシステム開発で使うソフトウェアの開発も手掛けています。それはエンジニアが現場で作業をする際に「こういうツールがあればもっと仕事がやりやすい」というニーズから生まれるものです。また、今のシステム開発は工程ごとに担当者や会社が異なることが多く、齟齬(そご)や誤解が生じて予定と違う仕上がりになってしまうことがよくあります。それでは非効率的なので、当社のエンジニアにはなるべく多くの経験を積ませて、設計から開発・運用まで全ての行程を手掛けることができるフルスタックエンジニアを育てたいと考えています。エンジニアには技術力だけではなく、対人力や思考力など様々なスキルが必要です。それが身につくような環境を整えることが私の役割だと思っています。今まで、お付き合いのあるお客様のご紹介でお仕事をいただいてきたので、営業をしたことがほとんどありません。目の前の仕事を一つひとつ誠実にこなしてきたことが評価された結果だと思っています。うちのような小さな会社を信頼して任せてくださるお客様への感謝を忘れず、これからも成果を上げていきたいですね。

皆さんが仕事をしてもらっているお給料は、皆さんの仕事に対して恩恵を受けた人の「ありがとう」の気持ちだと思ってください。多くの人にたくさん貢献した人、役に立てた人が正当に評価され、豊かな生活を送れる。そんな世の中であってほしいです。たくさんの人の役に立てるよう、頑張りましょう。

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