profile
近藤弘之
1987年生まれ、神奈川県出身。小中高と桐蔭学園で過ごす。中学時代は野球部に所属し、関東大会ベスト8の結果を残す。中央大学商学部経営学科卒業後、近藤会計事務所に入所。
http://www.kondo-kaikei.net/
※本サイトに掲載している情報は2021年3月 取材時点のものです。

INTERVIEW

『税理士たるもの納税者のために体を張って頑張りなさい。』これが近藤会計事務所の理念であります。私自身この仕事に就いてから納税者の方々には『税理士顧問料≒(ただの)コスト』と捉えられているように感じることがあり、時折寂しさを覚えます。確かに、与えられるもの(情報)だけに基づいて申告書の作成をするだけなら、どの税理士がやってもさほど結果は変わらないでしょう。重要なのは、その結果に行きつく過程で『何ができるか』ではないでしょうか?AIの進化により、IT先進国では個人向けの税理士は不要になると言われております。しかし、納税者の方々に寄り添い、従業員やご家族の事情までをくみ取り、判断・行動するというのはAIにはない感情を持つ我々人間にこそできることであると信じています。血の通ったサービスを提供することをいとわずに取り組む税理士こそが、これからは求められるべきと考えています。時にお節介と思われるかと思うほどに私は相手の状況、気持ちに寄り添っていきたいと思っています。

税理士の前は教育者を目指したことも

近藤弘之

近藤会計事務所は昭和38年に公認会計士であった祖父が税務署職員を退官後、開業致しました。その後父が税理士として昭和53年から事業承継し、私が平成28年から父の後を継いでいます。初代からの「税理士たるもの納税者の為に体を張って頑張りなさい」という教えを父も私も軸とし肝に命じています。

私は小学校から高校までは私立の一貫校で過ごしました。振り返りますと幼い頃から「当たり前」とされる水準が概して高い環境にあったように思います。そのような環境で身に付いたものは現在の私の思考、あるいは価値観を育む礎になっており、関わりを持たせていただく方の肩書や経歴だけで判断せず、全ての方々に敬意を持って誠実に対応させていただくことが自然と身に付いたのは幼い頃からの教育の賜であると思います。子供が好きで、学生時代は教員免許を取得し自分を育ててくれた母校の教育の現場で働こうと志を持っていました。

一方、事務所を手伝いながらかつては税理士を志していた事もある母と父は家庭内でも常に仕事の話をしていたため、税理士という職業もとても身近なものではありました。教師を目指す気持ちと共に「折角数十年も続いた事務所」に思いを寄せるようになりました。初代から半世紀以上に渡りお付き合いいただいているお客様、事務所のスタッフの面々のことも考えるようにはなり、大学入試では教師への道と税理士への道の学部を受験しましたが、期せずして教師への道の合格は得られず、税理士への道の合格という結果になりました。

これは運命?!であったかと感じ、税理士を目指すことにし、大学卒業後直ぐに父の事務所に入所しました。父は健康面から早期の引退を望んでおりましたので親子で共に働いたのは4年ほどです。短い間ではありましたが、自らも継ぐことを経験した父からは、継がせる者への深い思い、継ぐ者の強い決意のもと凝縮していろいろな事を教えてもらいました。

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かゆいところまで手が届く存在に

祖父と父から受け継いだ「税理士たるもの納税者の為に体を張って頑張りなさい。」という理念に加え、「かゆいところまで手が届く存在に」というのが私の信念です。幸いにも多くの方々が初対面でも間も無く込み入った事情まで打ち明けてくださります。特に意識しているわけでも無く、結果としてそのようになっているので、私の一つの色なのかと思います。その上で自分にできることは出し惜しみせず、「ここまででいいかな」と自分で線引きをするのではなく、相手に「もう十分だよ」と感じて頂けるまで寄り添い、顧問先の従業員や家族と同じ熱量で取り組み、相手の為に最善を尽くす税理士であるよう臨んでいます。

税理士がなぜそこまで、と思われるかもしれません。しかし、たとえば所得税を算出する際は1年間でその人に起こった様々な細かい事象まで考慮に入れるべきですし、相続税の計算は、先代、先々代まで遡り、彼らの歩んだ人生を数字に表す作業です。人の生活や生き様を数字に置き換えるのが私たち税理士の仕事ですから、頭のてっぺんからつま先まで、顧問先のことを全て見る覚悟が必要なのです。

父から事業を承継して5年が経ち、祖父の代からお付き合いを続けていただいている方々を大切にするのはもちろん最近は独立を志す方も多く、20代、30代の若い経営者の方々の新たな顧問先もずいぶんと増えました。スタートアップ企業を起ち上げるような方は、皆、成功を目指し、高く志を持って経営に取り組んでいらっしゃいますが、殊、税のことは後手に回りやすく当初は苦慮しがちです。申請もたかが紙1枚、されど紙1枚で、おろそかになると大きな痛手になることもあるので、私共でそのような部分からもサポートしたいと思っています。

最後に、私は自分と関わってくれた全ての方々には幸せを届けたいと心から思っています。それは税という形で実現する場面が多くなりますが、ともかくどんな形でも幸せをと思っています。目先の見返りを求めなくても、真摯に仕事をしていれば、評価や利益は必ず後からついてくると思っています。これから社会に出る若者も、常に自分自身に「本当にやりきったか?」と問いかけながら0戦0勝0敗の人生では無く、勝負をかけて懸命に生きてみてください。懸命に勝負した負けは成功に必ず結びつくものと私は信じています。

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