profile
小島真
北海道薬科大学薬学部卒業後、山之内製薬(現アステラス製薬)入社。1996年に有限会社ポプラ設立。薬局事業を展開し、2007年に社名をピーエフシー株式会社に改称。SMO事業、トータルサポート事業も展開し現在に至る。
https://www.pfc-poplar.co.jp/
※本サイトに掲載している情報は2019年10月 取材時点のものです。

INTERVIEW

弊社は保険調剤薬局を14店舗展開しているほか、薬の臨床試験を支援するSMO(治験施設支援機関)事業にも携わっています。弊社は「私たちは関わるすべての皆様と夢・喜び・心からの感謝の共鳴を志しています」という理念を設定していて、ここに私が人生で大切にしたいことを集約しています。世の中の物事は思うようにならないのが当たり前で、思い通りになったら「ありがとう」です。その感謝の心を体現していくことこそ、人生において大事なことなのではないでしょうか。

祖父と父の背中を追いかけて、薬剤の道に

小島真

もともと祖父と父が薬剤師だったので、私も自然と薬学の道に進んでいました。薬科大学を卒業後は、薬剤師ではなく、山之内製薬(現アステラス製薬)のMRとして病院を駆け回りました。その時代は何でもありだったので、ドクターの送迎、庭の掃除、洗車など、何でもやっていましたね。その時に「いくら知識で武装しても、相手にこちらを向いてもらえないことには何も始まらない」、「その環境を作るには、こちらが相手への好意を表現することが大切」ということを学びました。このような努力を重ね、相手に受け入れてもらえるようになってからは、こちらのお願いをすぐ理解してもらえて、仕事がスムーズに回るようになりました。細かい気配りが大事というのは、どんな環境においても変わらないと思っています。

起業のきっかけは、たまたま知り合いのドクターが病院を開業することになり、「隣に薬局を開かないか」と声をかけられたことでした。会社を辞めて起業するなんて、夢にも思っていなかったので、一大決心でしたね。あれから23年、関わる方に喜んでいただけた時に、やりがいと喜びを感じます。患者様が「ここにかかって良かったわ。また来るね」と言ってくださったり、自宅で採れた野菜を持ってきてくださったりと、年々患者様とスタッフの関係が深まっていると感じています。患者様が撮影した写真や折り紙を飾っている支店もあるんですよ。

弊社では、冒頭でご紹介した理念の他に、社員と私が一緒につくった「行動指針」を設けています。「立派な社会人になるために」「立派な会社員になるために」「立派な自分自身になるために」の3つのカテゴリーで、全15項目あります。これを各店舗で毎日1つずつ読み合わせして、意識を共有しています。会社が決めたことをトップダウンでやるのではなく、皆で決めたことを一緒にやっていくスタイルなので、スタッフそれぞれ捉え方は違いながらも、意識が同じ方向に向かっていると感じています。私がスタッフから相談を受けた時には、理念や行動指針を基準にしたアドバイスをしているのですが、それはみんなにとっても納得しやすいようです。

  • 小島真
  • 小島真

継続して周りを思いやり、心地よい環境を自ら作る

私は、一緒に働く仲間との関係や職場環境は非常に重要だと考えています。というのも、そこに不平不満やわだかまりがあると、患者様や関わる方に喜んでもらえる薬局には成り得ないからです。スタッフ達にとって心地よい環境であって初めて、周りに気遣いができるし、患者様に心からの笑顔を提供できるのです。心地よい環境というのは、会社や周りが提供してくれるものではなく、本人の日々の努力の積み重ねで形成されていくもの。「いかに継続して周りを心から思いやれるか」が重要です。思いやりを積み重ねることで、徐々に周りに受け入れられていき、ゆとりが出てきて、本人も周りも心地よくなります。それを実践できる仲間を迎え入れるために、私自身すべての採用面接に立ち会ってこの話をしています。

薬局事業というものは、今お世話になっている病院が閉まってしまった場合、我々の薬局も閉めなくてはいけないので、非常に不安定な環境にあると言えます。そこで弊社は、関連事業を展開することでメインの薬局事業を安定させたいと考えており、今は薬の臨床試験に携わったり、訪問看護ステーションの開業準備をしたりしています。このことは、将来薬剤師の数が飽和状態になった際に、薬剤師の働き方の選択肢が増えるというメリットもあります。努力しない薬局はどんどん淘汰されていきますから、今までのようにただ患者様を待つのではなく、積極的に外に出て仕事を獲得して行くつもりです。新しいことにも挑戦しながら、安定した環境を作り続けていきたいと思っています。

人生は色々なことが起きますが、まずは目の前に起きていることを受け入れ、自分自身のことも受け入れる覚悟が必要です。目の前のことに不満があるのは、それをきちんと受け入れられていないということ。起きたことをどう判断するのか、幸せだと思うのか不幸だと思うのかは、自分が決めることなのです。私は、目の前に起きたことをしっかり受け入れながら幸せを感じて生きている人や、「自分の存在を誰かに喜んでもらえている」という喜びを実感しながら生きている人に憧れています。常に周りに対して感謝の心を持ちながら、挑戦を続け、幸せに生きて行きたいですね。

ページの先頭へ

Loading...