profile
木下直美
1986年台湾生まれ、長野育ち。住友不動産販売で不動産売買仲介に従事後、リクルートライフスタイル(現:リクルート)に入社。美容事業250以上の店舗開発、人材育成支援、業務支援、利益創出を行う。中堅管理職として、人材育成、業績管理、業務改善指導を行い、多数表彰者を輩出。成功モデルを構築し、パートナー企業への指導も実施。2022年、Givin' Back設立。
http://givinback.co.jp/
※本サイトに掲載している情報は2023年6月 取材時点のものです。

INTERVIEW

人生という旅を謳歌するためには、自分自身をしっかり理解し、自分の心に忠実に生きることが大切です。これからの未来を担う皆さんには、自分と他人を比較せず、自分のアイデンティティーを尊重しながら、成長の機会やチャレンジを楽しんでほしいです。何事も経験することが大事で、経験したことを学びや気付きに変えることが重要です。前向きに捉えながら、成長や変化を楽しんでください。

母の姿勢や考え方が原点

木下直美

私たちは組織開発や人材開発のコンサルティングを、研修事業を通して、提供しております。企業様の要望として、特に多いのは「チームワークをさらに発揮していきたい」、「社員間のコミュニケーションを活性化したい」、「社員の主体性やモチベーションをもっと上げていきたい」といったことです。世の中は資本主義社会から個を生かす社会へ変わってきていますが、まだ多くの企業様は個々の強みを生かす組織づくりに課題があります。組織をもっと大きくして事業を拡大したいと思っていてもうまくいかないのです。そこで、私たちは「チームビルディング」、「チームワーク力強化」、「キャリア開発」など、多様な価値観や強みを生かせる組織づくりに特化した研修を提供し、多くの企業の「自走するフラットな組織づくり」、「従業員幸福度の向上」を実現しています。

チームビルディングにおいて大切なのは、「互いに敬意を持つこと」、「感謝と称賛を当たり前にすること」の文化形成を行うことです。お互いに理解しあい、それぞれの持つ価値観を尊重し、強みを発揮することでチームワークが最大化されます。実際、社外の人には、敬意と感謝の気持ちを持って接している一方、社内に限っては雑に扱ってしまっていることが多いです。私たちは、いわゆる「ロールモデル」を9種類に定義し、各々(おのおの)がその役割を担うことでチームビルディングが達成されるという原理を持っています。そのために、まず、リーダーが適切なロールモデルとして行動し、各社員が主体性と貢献意欲を持てる環境整備を、自らできるように指導しています。
そして、楽しく、学び、スキルを身に付けられることができるのが、弊社の特徴となっています。

私は、幼少期に母が台湾人であることを理由にいじめに遭いました。母も慣れない環境で生活していることもあり、苦労していましたが、それでも、「自分らしくいるために強くなりなさい、常に前向きでいなさい」と何度も教えてくれました。この言葉は、私のすべての原点になっています。新卒で入社した不動産会社では顧客や業者から「若い女の子には頼めない」と言われました。私という個人を見てもらえていないことが悔しかったのですが、この逆境があったからこそ、アイデンティティーを再認識でき、さらに強くなれました。このとき、どうしたら自分らしさやアイデンティティーを生かせるかを考えて行動したことが、今の「強みを生かす」という考え方につながっています。

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恩返しと恩送りを

転職して入社したリクルートでは個々が尊重されるフラットな組織づくりが根付いていたので、チャレンジする機会をたくさん与えてもらいました。自分と向き合ってくれる上司たちに囲まれ、自分の成長を楽しむ経験ができました。マネジメントをするようになって以降、トップダウンの指示をしてしまったり、細かく管理してしまったりしたこともありました。しかし、そのトライアンドエラーを通じて、メンバーの意見を尊重すること、個々の能力を生かすことの大切さを学びました。次第にメンバーから「仕事が楽しくなった」、「自分の強みを生かした仕事ができて、自己肯定感が上がった」と言われるようになり、業績も150〜200%向上しました。指導していた企業の業績が200%上がったことも自信になり、起業を決意しました。

起業1年目は苦しいこともありましたが、周囲のサポートのおかげで、ここまで来ることができました。研修には、私の会社員時代のしくじりも事例として盛り込んでいるので、厳しいアドバイスでも、納得して受け入れてもらえます。研修を受けた参加者様からは、結果として、「体験型で楽しかった」「主体性や組織の活性化につながっている」「組織が良くなったと実感できている」という声をもらうことが多く、私たちにしかできない価値の提供を通じて、社会に貢献できていることを実感しています。それが、前に進むためのモチベーションにもなっていて、ありがたく思っています。

今後の目標は、若手やベテランが共創できる組織の風土や文化をつくりあげることです。個々の能力には限界がありますが、チームを組み、個々の強みを生かし合うことで相乗効果も生まれるので、効率的に成果を上げやすいのです。社名の「Givin' Back(ギビンバック)」は、恩返し・恩送りという意味です。若者や女性など、今まで自分の意見を言うことや、やりたいことを遠慮していた人たちが自由に発言し、自分を表現して、自己成長を楽しめる社会をつくっていくこと、そのような文化を醸成した会社を私自身がつくり、これからも人々が、成長機会を楽しめるフラットな組織を増やしていくことが、私にとってのGivin' Backだと思っています。

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