- 木村元気
- 1979年生まれ、兵庫県出身。専門学校卒業後に引っ越し会社に就職し、社会人生活をスタートさせる。ドライバー、管理、営業として実績を残し、様々な経験を積む。2011年に自らが代表を務め、株式会社GENKIを設立。価格以上のサービスと人材育成に力を入れ、大きな成長を続けている。
- http://www.guts.jpn.com/
若い方々も、たとえ目標や夢がなくても、目の前のことに全力で取り組んでみてください。遊んでばかりいた私も何もないところから起業し、全力で走り続けた結果、自分の思い描く会社を持ち、素晴らしい仲間と一緒に働くことができています。全力でやり抜くことで、味わったことのない感動に出会えることもできました。仕事は人です。全力で頑張る人の周りには、いつか人が集まってくるはずです。苦しいこともあるかもしれませんが、全力を出し続けてください。
サラリーマン家庭で育った私は、両親も家を空けることが多く、それをいいことに周りの仲間といつも遊んでばかり。ろくに勉強もせず、とにかくやんちゃな青春時代を送っていたと思います。高校卒業後は母親から薦められるまま、音楽の専門学校に進学。20歳で卒業を迎え、その後は住居を転々としながらアルバイト生活を送るようになりました。まさに放浪の旅です。そんな時に出会ったのが、引っ越しのアルバイトでした。
日払いで、日本全国どこにでも拠点があり、健康な体一つあれば自由に稼ぐことができました。自分にとってはとても好都合なアルバイトだったんです。そして各地を転々としながらたどり着いた先が、今も当社の拠点の一つとなる神奈川県でした。その頃には私も24歳になり、そろそろ腰を落ち着けようかという思いが湧いていた時期。そこで、関東に進出してきたばかりの小規模な引っ越し会社に就職を決め、正社員として仕事に励むようになりました。そこではドライバーや管理職、営業職に至るまで、様々な経験を積みながら多くの学びを得ていきました。元気よく挨拶すること、身だしなみを整えること、使用する道具を大切にすること。当たり前のことを当たり前に行う、その大切さも肌で感じてきたように思います。
しかし徐々に仕事を覚えていくにしたがって、引っ越しサービスに対する自分の理想を思い描くようになっていきました。たとえば引っ越し業界では、スピードや回転率が重要視されます。急いで物を運ぼうとするあまり、サービスが低下してしまう場面も多く見てきました。お客様に満足してもらうためには、もっとサービス重視の引っ越しであるべきだと感じるようになっていったんです。そこに輪をかけるように、時代はインターネットの普及に伴い価格競争が激化。よりサービスはおざなりになっていく状況もありました。自分の思い描いた引っ越しサービスを提供していくためには起業をするしかない。その強い思いが形となり、株式会社GENKIの引っ越しサービスがスタートしたんです。
設立から7期目を迎えた当社は、一般家庭向けの引っ越しサービスを軸に事業を展開してきました。その中で特に心がけてきたことは、引っ越し業界の相場に合わせて価格提示をしていくのではなく、お客様一人ひとりのご要望に合わせて都度プランニングを行い、ご予算に合わせて価格を算出していくこと。現代では、価格重視が当たり前の時代です。しかしそれだけに捉われてしまうと、サービスの低下につながってしまいます。だからこそ我々は、価格以上のサービスを心がけ、今日まで事業を続けてきました。今ではそれが当社の強みにもなっています。
創業当時は今より規模も小さかったですが、とにかくベストを尽くすことが大事だと考えていました。当たり前のことを当たり前にやるのではなく、毎日限界に挑戦していこうと思っていたんです。そして何よりも大切にしてきたことが、一緒に働いてくれる従業員たちでした。
私は常日ごろ、「ブランドの前に人が立つ」という意識で仕事に向き合ってもらうよう、従業員に伝えています。我々のような小さな会社にとっては、全ての従業員が会社の看板です。会社の名前で仕事を獲得しているのではなく、その人間がいいから仕事が獲得できていると思っています。だからこそ会社の経営者として、従業員の働きやすい環境を作っていくことは当然の務めです。お客様にいいサービスを提供するためには、いい人材を育てなければいけません。あとは皆が一丸となって、目の前のことに全力で取り組んでいくだけ。引っ越しサービスはチームワークですから、常に元気よく、会社を成長させていければと思っています。
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