profile
河田英雄
1974年生まれ、京都府出身。18歳から5年間、海上自衛隊に所属。23歳の頃に現在の土木業界へ入る。業界の変化に合わせて現場の施工管理に必要な資格を取得し、個人事業を立ち上げる。2022年、ミライテックを設立。「未来に貢献できる技術者を一人でも多く育成する」という企業理念を軸に、今後は若手の確保と教育を進めていく。
https://miraitech.net/
※本サイトに掲載している情報は2025年3月 取材時点のものです。

INTERVIEW

土木会社のトップとして、現場には顔を出さないようにしています。行けば、作業員たちに気を遣わせ仕事の邪魔になってしまうからです。私も現場作業員の頃、トップの姿が見えると仕事をしにくかったので、よく分かります。また、現場を任せているリーダーの立場を尊重したいというのも理由の一つです。私は若手を信頼し、現場のことは予算や工程も含めすべて一任しています。何かあれば責任は私が負うので、失敗を恐れずに何でもやってみてほしいと思いますし、「困ったことがあれば電話してくれ」とだけ伝えています。信じて任せることが、彼らの成長につながると信じています。

同級生から5年遅れで、憧れの土木業界へ

河田英雄

建築業を営む家に生まれたからか、幼い頃からものづくりが好きでした。プラモデルの組み立てに熱中し、夏休みの自由研究では木の椅子や机を作って周囲を驚かせていました。ダンプカーに魅せられ、高校卒業後は土木の仕事がしたいと夢見ていましたが、叶わず、親の勧めで自衛隊に入隊しました。

周りでは土木業界へ進んだ同級生も多く、「自分もいつか」という思いはなかなか消えませんでした。自衛隊を5年で退職すると、同級生より5年遅れて念願の土木業界に飛び込みました。現場のリーダーや、若手を指導する立場になった同級生もいる中、スコップ持ちからのスタートです。気の遠くなるような道のりでしたが、どうすれば5年分の遅れを取り戻せるか、どうすれば同級生に追いつけるか、追い抜けるか、そんなことばかり考え、がむしゃらに働いていました。

2~3年目の頃、土木業界にもデジタル化の波が到来したことは私にとって追い風になりました。誰にとっても未知の経験だったので、そこで初めて周囲と同じスタートラインに立つことができたのです。そこからも一切手を抜かず、ひたすら走り続けました。思い返すとつらいことばかりでしたが、この経験があったから今の自分があるのかもしれません。さらに、必死に勉強して施工管理に必要な国家資格を取得したことで独立することができ、公共事業を任せていただく機会も増えました。仕事と試験勉強の両立は容易くはありませんが、当社では若手たちにも資格取得を推奨しています。もちろん、ずっとうちで働いてくれたらうれしいのですが、資格があればどこに行っても通用する人材になれます。資格取得に前向きな若手がいれば、勉強時間が確保できるようにできる限りのサポートをしています。

  • 河田英雄
  • 河田英雄

やりたいことに挑戦できる会社でありたい

この仕事のやりがいは、人々のライフラインを支える、地図に残る仕事だということに尽きます。なかなか分かってもらえないのですが、工事した場所を通るたびに「ここは自分が作ったんだ」と誇らしい気持ちになります。土木業界はいわゆる3K(きつい、汚い、危険)と言われてきましたが、それも年々改善されてきています。私がこの仕事を始めたばかりの頃は、旧態依然とした縦社会の文化が色濃く残っているのを感じて、これでは若手が入ってこないし、入っても育たないだろうと危機感を覚えたものです。

せっかく縁あって入ってきてくれた若者たちがやりがいを持って楽しく働き続けられるように、当社では彼らの「測量したい」「ダンプに乗りたい」「販売をやってみたい」といった声に耳を傾け、いろんな挑戦ができる環境を用意してあげたいと思っています。それが、若者たちが自分で考え行動する力を身に着ける近道です。私は細かい口出しはせず、壁にぶつかったら相談に乗るスタンスです。いざという時に相談しやすいように、日頃からコミュニケーションを深めて、小さな悩みでもすぐに打ち明けられるような雰囲気づくりを心がけています。ゆくゆくは土木業界にとどまらず、もっと幅広いことにみんなで挑戦していきたいと考えています。

挑戦は私の生きがいであり楽しみでもあります。私が挑戦する姿を見て、若い人たちにいい刺激を与えられたらうれしいですね。若者の皆さんも、何事も諦めず、やりたいことにどんどん挑戦してみてください。成功をつかんだ時の喜びは、何にも代えがたいものです。そして、その成功体験は明るい未来を切り開く原動力になります。大切なのは、一歩を踏み出す勇気と、失敗を恐れず前に進み続ける姿勢です。私自身、やりたいことに挑戦し続けてきたおかげで、楽しく充実した毎日を過ごしています。皆さんも自分の可能性を信じて、いろんなことに挑戦して明るく楽しい未来を切り拓いてください。

ページの先頭へ

Loading...