profile
加藤一博
1966年沖縄に生まれる。88年IT業界の道に進みトップの成績を残す。その後、92年入社、現場施工に従事。営業部門を経て35歳にして加藤商事株式会社の社長に就任。46年から続く会社を守りつづけるべく「焦らず、順序を重んじ、さらに挑戦、絶対捨ててはならないものを守り伝える」を軸に変化し続け、今に至る。
http://www.kato-t.com/
※本サイトに掲載している情報は2023年2月 取材時点のものです。

INTERVIEW

1946年に創業以来『環境トータルサービス』をテーマに浄化槽維持管理・廃棄物処理サービスを軸にして、地域社会の環境保全、美化向上に貢献してきました。昨今はSDGs(持続可能な開発目標)をはじめとする多様性のある社会のニーズに応えるべく、廃棄物リサイクル事業など「エコとリサイクル」に寄与するサービスの提供に力を入れています。

3K産業と呼ばれた業界で誇れる会社にしたい

加藤一博

私は沖縄出身です。本土復帰前の自然に囲まれた沖縄で幼少期を過ごしました。友人も多く、自然の中を走り回っては大ケガをし、両親に心配をかけることもたくさんありました。高校生時代に夢中になったのがバイクでした。特にバイクの機械の構造や分解、組み立てなどに興味を持ち、時には自分でパーツを作ることもありました。何事にも興味が湧くとすぐに行動に移し動きだすという性格は今にもつながっていると思います。社会人生活のスタートはコンピューターの販売でした。コンピューターのコの字も知らない状態で飛び込んだ世界でしたが、私自身が機械の構造やシステムのフローを理解することなどに抵抗がなかったため、すぐに仕事に慣れることができました。製品を熟知し、確かな情報をもとに製品の良さをお客様に伝え、選んでもらえることに喜びを感じていました。

その仕事を通して学んだのは、お客様と直接やりとりすることでお客様の情報を得て、人や会社とのつながりを構築できたことです。販売員時代の経験が今の会社を成長させていく上で非常に役立っています。結婚後は妻の父が経営する加藤商事を手伝うことになりました。IT(情報技術)業界で生きていくと思っていたので、今までと全く異なった事業である廃棄物処理業に当初は困惑していました。当時廃棄物処理は“3K”産業と呼ばれていましたが、世の中から必要とされている事業です。何よりも社員が誇りを持てる会社にするにはどうしたらいいのか。そればかり考えていました。

現在は環境事業としてのリサイクルがSDGs(持続可能な開発目標)などで注目され、安定した業界になりました。しかし、リサイクルと一言でいっても多岐に渡り、どういった商品が今社会で受け入れられるのかを丁寧に考えながら、社会の変化とともに会社も変わっていかなければなりません。そのために常に新しい取り組みに挑戦し続けています。「誇れる会社にしたい」と社員へ伝えると、社員の目の輝きが変わってきます。地域に愛される会社、また新しい価値を創造していく会社として社員とともに成長していくことを常に念頭に置いて行動しています。

  • 加藤一博
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突然の社長就任。社員の自信が会社を成長させる

35歳のとき、突然義父から「社長になれ」と告げられました。当初は戸惑うことや心配なことばかりでした。しかし、今までの経験で得た「焦らず、順序を重んじ、さらに挑戦する。絶対捨ててはならないものを守り伝える」という、自分自身の信念を忘れずに会社を経営していくことを決心しました。時代の変化とともに、会社も変わっていかなければなりません。最近では、SDGs(持続可能な開発目標)の認知度が上がり、わが社の事業も注目されるようになりました。二酸化炭素の排出を減少させるためにはコストがかかりますが、環境問題に取り組むためにエコに注力するなどの工夫をしています。

会社として1年後、5年後、10年後の経営を考えることはもちろんですが、永続的企業としては100年、200年、300年先を見据え、考え、行動するべきであると考えています。そのためには、時代に合わせ、社員たちの意識を変化させることも不可欠です。今の課題が終われば、次の挑戦というように常に成長できるような市場開拓にも力を入れています。また「プラス10」というスローガンを掲げ、お客様からの期待値にプラス10パーセント、つまり110%ご満足してもらえる行動を心がけています。絶えず探求し、お客様の想像を超えるような提案をすることで、お客様の期待を上回ることができる。社員たちの110パーセントの行動がお客様の満足度の向上へつながっていくのです。

また、若い社員の意見をしっかりと聞き、会社の成長へつなげることも大切にしています。社員が今の時代に乗り遅れず、またグローバル社会においての勝負時を逃さず、挑戦できる環境を整備することが社長としての務めだと思っています。そこから失敗や多くの成功を経験することで、社員一人一人の自信につながり、プライドを持って行動することができる。急速に変化していく環境に挑戦し、自ら成長する機会をつかんでいく大切さを伝えていきたいです。

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