profile
加藤剛毅
1977年埼玉県生まれ。早稲田大学法学部を卒業後、旧司法試験に合格。2004年に弁護士登録(第二東京弁護士会)をして都内の企業法務系事務所に計5年間勤務。09年、地元埼玉弁護士会に登録換え。14年、さいたま家庭裁判所家事調停官(いわゆる「非常勤裁判官」)に任官して4年間で約800件の事件を担当。17年、中小企業診断士登録。埼玉県所沢市に現事務所を開設し、現在は中小企業法務の他、個人の相続案件に特化して活動中。著書に「トラブル事案に学ぶ『泥沼』相続争い解決・予防の手引」(中央経済社)
https://katogoki-lawyer.com/
※本サイトに掲載している情報は2021年7月 取材時点のものです。

INTERVIEW

武蔵野経営法律事務所は、中小企業の顧問業務と個人の相続案件を主に扱っています。中小企業の顧問業務とは、日常的な法律相談、契約書のチェックや作成、債権回収、従業員とのトラブルの相談などのことです。また、さいたま家庭裁判所家事調停官として4年間で100件ほどの相続案件を手掛けたので、相続案件では誰にも負けたくないと思っています。

社労士事務所の併設と家事調停官の経験が最大の強み

加藤剛毅

私たちの強みの一つ目は、「弁護士」・「社会保険労務士」・「中小企業診断士」の三士業の連携によるワンストップサービスができることです。法律事務所に「武蔵野経営労務事務所」という社会保険労務士事務所を併設しており、社労士による助成金の申請サポートまでできることが、当事務所の大きな強みです。社労士事務所は世の中にたくさんありますが、助成金を扱っている事務所は1~2割程度で、私たちはその1~2割に入る珍しい事務所です。

顧問弁護士は、一般的には企業側にトラブルが発生したら相談を受けるもので、これまでは弁護士側から何かを提案することはあまりありませんでした。我々弁護士は、税理士のように毎月のルーティン業務がないのでサービスが目に見えにくく、顧問先が、顧問料を掛け捨ての保険料のように感じてしまい、顧問契約の必要性を感じてもらえないことがありました。そこで、私たちは、待ちの姿勢でいるのではなく、こちらから積極的に役に立つことを意識して行動しています。例えば、法改正や顧問先企業が使えそうな助成金の情報を積極的に収集して、毎月お送りしている「事務所レター」でお知らせしたり、顧問先企業から現状をヒアリングして、使えそうな助成金を積極的にご提案したりしています。社労士事務所ですら助成金を扱っている事務所は少ないので、ましてや、法律事務所でこのような顧問サービスを実施しているのはかなり珍しいと思いますし、社労士事務所を併設している法律事務所だからこそできることでもあるので、これからも継続していきたいと思っています。

私の強みの二つ目は、最高裁に任命されて任官したさいたま家庭裁判所の家事調停官の経験です。相続トラブルに巻き込まれて弁護士に相談する機会は、人生に1度あるかないかです。家事調停官としての経験が決め手になって私を選んでいただけることは大変光栄ですし、ストレスで夜も眠れなかった依頼者が「精神的に楽になった」と笑顔になったときには、心底やりがいを感じます。紛争は望んだ結果にならないこともありますが、結果に至るまでの過程では、依頼者を不安にさせないようにコミュニケーションを密に取り、最後は「これだけやってくれてありがとうございました」と言っていただけるよう最善を尽くしています。これからも個人分野では相続案件に特化して、「相続といったら武蔵野経営法律事務所」と言われる存在になりたいですね。

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「坂の上の雲」だけを見つめて前進

私は、大学3年生から本格的に司法試験の勉強を始めました。土日は警備員のアルバイトで生活費を稼ぎ、平日は寝食以外のすべての時間を勉強に費やす生活を4年間送りました。3度目の試験に落ちたときはさすがに落胆しましたが、今は亡き父が、「お前が決めた人生だから好きなようにやれ。金のことは心配するな」と励ましてくれ、4度目の試験で無事に合格することができました。その後、都内や地元の法律事務所で経験を積み、41歳のときに当事務所を開設しました。

日本はほとんどが中小企業なので、ますます中小企業のサポートに力を入れて、日本経済を元気にしていきたいと思っています。直近の目標は、顧問先を今の倍の100社以上に増やすこと。コンプライアンスはこれからどんどん厳しくなっていくので、顧問弁護士をつけることが当たり前な世の中にしていきたいですね。

私は司馬遼太郎さんの小説「坂の上の雲」が好きで、登場人物が坂の上の雲だけを見つめ、とにかく前に進もうとする姿に勇気をもらっています。若者の皆さんも、失敗を恐れて何もやらずに後悔するなんて勿体ないですよ。やるかやらないか迷ったら、とりあえずやってみてください。やってダメなら、またやり直せば良いだけですから。

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