profile
岩城啓好
1965年生まれ、大阪府大阪市出身。91年、大阪市立大学医学部卒業。96年~99年、ロンドン大学勤務。99年~2000年、日生病院整形外科医長。01年~03年、大阪労災病院整形外科医長。04年~11年、大阪市立大学医学部付属整形外科講師。11年~13年、大阪市立大学医学部付属整形外科准教授。13年~20年、中之島いわき病院院長。20年~大阪整形外科病院(旧 中之島いわき病院)院長。
https://nih.or.jp/
※本サイトに掲載している情報は2025年6月 取材時点のものです。

INTERVIEW

私のMy Roadは「与えられたチャンスが来たら目標設定して、全力を尽くす」。目標が無いとやってきたことの評価はできませんし、目標を持てばやるべきことが自ずと決まってきます。人生は一度きりですし、頑張っている姿は皆が見ています。道は、そういうところから広がって行くのではないでしょうか。

「早く治す病院」を目指して

岩城啓好

当院は整形外科の単科病院で、手術を中心とした専門病院です。病院のスタッフ数は非常勤を含めて約240人、医師は7人在籍しており、リハビリ施設が充実していることから40人以上の理学療法士が在籍しています。病院内の施設には、外来・手術室・病棟・リハビリ室・放射線科・検査科があります。私たちのモットーは「早く治す病院」なので、迅速な検査・診断・治療を心掛けています。患者さんの待ち時間短縮のために、予約制も導入しています。

10歳のときに交通事故で頭蓋骨骨折の重症を負い、2カ月間大阪市内の病院に入院しました。入院中は先生や看護師さんが優しくしてくださり、漠然と医療業界に憧れを持ちました。中学3年生のとき、両親から「うちが経営している会社を息子に継がせるつもりはない」と明言され、憧れの医療の道を選択することにしました。それまでは劣等生でしたが、猛勉強するようになり、高校でも大学受験勉強に明け暮れました。一年の浪人を経て、志望校である大阪市立大学医学部に無事入学。大学ではラグビー部に所属していたためケガすることが多く、よく整形外科にお世話になりました。また、先輩たちが整形外科に進んでいたこともあり、自分の進路にも整形外科を選びました。

2年間の研修期間を終えて大学院を受験するも、不合格になり、最も厳しいことで有名な研修病院に配属されてしまいました。しかし、これは幸運の始まりでした。その病院は人工股関節の手術数が大阪で最も多く、世界的に有名な先生が在籍していたのです。その先生の元で国内・国際学会での発表を続けていたところ、人工関節の発祥地で先進国でもあるイギリスへの留学を勧められました。現地の医師試験に合格し、Royal London Hospitalで現在の人工膝関節を作った名医の指導を受ける機会に恵まれました。はじめの2年は成果が上がらず苦戦しましたが、徐々に研究の結果が出始め、3年目に論文を完成させることができました。この論文は、現在も多く引用される非常に有名な論文です。おかげで英語力も身に付きましたし、著名な論文を複数発表できたことは、その後の人生において非常に大きな財産になりました。

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患者さんファーストを追求

帰国後は人工関節の関連病院を5年ほど回り、母校である大阪市立大学整形外科に戻りました。10年間大学で働き、関節外科の教育・研究・臨床に従事しました。その間に整形外科専門病院の経営者たちと交流したことがきっかけで、自分で病院を経営することを考えるように。その後、古い病院を買収・改修して、2013年に「中之島いわき病院」を開院しました。開業当初は常勤医が私一人だったため、非常に忙しく、病院の体制を作ることも難しかったです。しばらくして、その病院の老朽化や耐震性への不安、患者さんの療養環境と職員の職場環境改善のため、大阪市福島区に新病院を開院しました。病院名も分かりやすく現在の名称に変え、手術室も増設しました。

今注力していることは、患者さんをなるべく早く診断して、必要なことを迅速に説明し、保存治療(手術以外の治療)や手術治療の選択を行うことです。患者さんファーストの医療を提供するべくスタッフ教育も行い、「早く治す病院」の実現に向けて日々取り組んでいます。私はマネジャー経営者とプレーヤー医師の両面の顔を持っているので、現場の問題点を把握しやすいメリットがあると感じています。その反面、一般的な経営者よりやるべきことが多いので、良い意味で任せるところは任せて、経営面ではチェックだけを行うようにしています。毎日振り返りを忘れず、自分に慢心することなく、スタッフたちと明るく楽しく働くことを心掛けています。

おかげさまで、多くの患者さんに来ていただける病院になってきました。口コミで患者さんが集まってきており、治療を受けた患者さんからは「ここでやってよかった」という声を多数いただいています。このままいくと、現在のスタッフパワーでは迅速な治療が難しくなって来ることが予想されます。「早く治す病院」というコンセプトを維持するため、優秀な医師やスタッフを増員し、治療を分散できる体制を整えていくつもりです。より広い地域をカバーするために、関連病院やクリニックの増設も検討していきたいです。これから採用したいのは、人間性が高い人。スタッフと仲良く、良い仕事をできる人財に仲間になってほしいと願っています。

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