profile
伊藤全哉
1998年、名古屋大学医学部卒業。名古屋大学附属病院などで研さんを積み、先進技術を学ぶべく渡米。帰国後の2016年、伊藤整形・内科あいち腰痛オペクリニック副院長に就任。17年、あいちせぼね病院開院。日本整形外科学会専門医。日体協公認スポーツドクター。医学博士。
https://www.itoortho.jp/
※本サイトに掲載している情報は2020年8月 取材時点のものです。

INTERVIEW

私は、「抜苦与楽」と「心身一如」という二つの言葉を信念に、これまで医療と向き合ってきました。そして学生時代に自ら造語した「独歩啓蒙(もう)」という言葉に基づき、皆に幸せを与えるために自ら学ぶことで研さんを積み、成長と発展を続けています。今までの医者像に捉われず、常に新しいものを取り入れながら挑戦を続けていきたい。その中では周囲から多くの批判にさらされることもあるでしょう。しかしながら、患者様を幸せをしていくためには私のような自由な発想や独創的な医療が必要不可欠だと信じています。もちろんいばらの道ではありますが、人の幸せにつながるのであれば、批判や反感に恐れることはないのです。

人に幸せを与える医師であるために

伊藤全哉

私の父も背骨治療に特化した整形外科医だったこともあり、完治して喜んで帰る患者様の姿を幼い頃から目の当たりにしてきました。そんな父の背中を見て育った私にとって、今の道へ進むことはごく自然なことでした。父は日々勉強に励んでいましたし、仕事が趣味のような人でした。幼い頃、たとえ休診の日であっても私を病院の控え室へ連れて行き、おもちゃで遊ばせながら自らは仕事に打ち込んでいたことを思い出します。家に帰っても医学書を読みあさっていました。そうした医師としての姿勢に今でも尊敬の念を抱いていますし、私の指針にもなっています。

当院のモットーである「抜苦与楽」という四字熟語がありますが、これは小さい頃から父の診療を見て体感的に学んできたことでもありました。患者様の喜ぶ顔を見ていると、「自分も父と同じように人を幸せにしたい」と強く願わずにはいられなかったのです。

学生時代に自分が風邪をこじらせてしまった時には、「自分の身体を自分でコントロールしたい」と思うようになり、それが医師の道へ進む最初のきっかけでした。その後医師となり、どの分野に進もうかと考えた時、「より多くの人を治したい」というのが判断基準の一つでした。色々と調べていくうちに分かったことは、整形外科にかかる患者がとても多いこと。私自身も大学時代に腰痛に悩まされた経験がありましたから、「整形外科医として人に幸せを与える医師になろう」と決意を固めたのです。
そして背骨治療の奥深さは当時からよく理解していましたから、より専門性を高め、他では真似できないような難易度の高い治療提供を目指していこうと背骨治療に特化した医師の道を歩みはじめました。

  • 伊藤全哉
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医療に終わりはないからこそ、研さんを続ける

当院は背骨治療を中心に扱うクリニックですが、その中でも得意とするのは手術を必要とするような診療や治療に特化していることです。通常であれば5cmほどの傷口になってしまう手術でも、当院では最小3mmの傷口で完治させることを可能にし、日帰り入院も実現。より高度な医療技術や機器を導入することで、手術をしなければ完治できない痛みを取り除くことに注力してきました。長年苦しんでいる患者様が最後のとりでとして来院されるケースも多いため、我々が果たす役割はとても大きいと感じています。

治療に重要な役割を果たす医療機器の多くは、海外製がほとんどです。だからこそ最新機器の導入を積極的に推し進め、腰痛に関する診断を早く正確に下せるのも当院の特長の一つ。MRIが計4台、その他にレントゲン、CTを加えた検査設備を大病院並みの規模で導入しています。脊椎ドックと呼ばれる同検査は、通常なら1~2か月かかるものを1日で行うという画期的な検査システムになっています。
また、整形外科技術に関しては日本が欧米諸国に大きく先を越されているという現状もありますから、常に最新の情報を取り入れながら背骨に関する治療では「右に出る者はいない」と言われるように、日々アップデートを繰り返してきました。
そのため年に5、6回は海外に出向き、様々な症例を自分の目で見て学ぶように心がけています。その他にも当院では、海外から背骨に精通する専門医を100人ほど集めて年一回の学会を主催。最新の情報や知見を共有し合う活動も続けてきました。それだけ研さんを続けていても、まだまだ解明されていない症例もどんどん出てくるわけですから、それだけ背骨治療は奥が深いということです。医療に終わりはありません。現状に満足せず、研究努力を続けることは当然の務めだと思っています。

私が患者様と相対する時にいつも思うのは、病気を治すだけではなく、人を治すのだということです。病になると同時に、人は心も痛めてしまうもの。だからこそ診療の中で他愛のない会話を交わしながら、しっかりと心と身体の現状を理解し、その双方を治していくことが重要であると思っています。まさに「心身一如」というのは、そうした考えに基づいた行いなのです。

今後、私が目指す展望は膨張よりも成長だと考えています。単にクリニックの拡大を目指すのではなく、「腰痛は治らない」と決めつけてしまっている人も多い中で、腰痛を世の中からゼロにするための成長を続けていきたい。

これからの時代を生きる若い方々も恐れることなく、間違ってもいいから前へ進んでみてください。私は独歩啓蒙という四字熟語を自らつくりましたが、皆さんも自分自身の言葉や考えで指針となるような四字熟語を作ってみてはどうでしょうか。そこから道は開けていくと思います。

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