profile
伊藤清治
1979年生まれ、兵庫県出身。島根大学に5年通うも中退し、同大学に再入学して4年で卒業(当時28歳)。在学中に合資会社ComRadeを立ち上げた後、松江への恩返しの思いから市議選に挑戦、支持無しながら供託金ラインを突破し注目を集める。公約どおり「当選できなかったら東京に移住する」を実行に移し、上京後は国会議員秘書や友人の選挙支援などを経験。2013年に株式会社化。
https://www.comrade-jp.net/
※本サイトに掲載している情報は2025年3月 取材時点のものです。

INTERVIEW

会社名のComRade(コムレード)は、英語で「苦楽を共にした仲間」という意味。これまで新しくビジネスを始めるとき、ベースになったのは「この人のお力になりたい」という思いでした。弊社はコミュニケーションと未来を売る会社なので、これからもコミュニケーションから生まれるケミストリーと無限の可能性を大切にしながら、自由に事業展開していきたいと思っています。

頼まれれば何でもやる

伊藤清治

弊社は、経営コンサルティング・若者育成支援・不動産投資・輸入貿易、4つの事業をしています。輸入貿易業では、幻の紅茶と称されるスリランカの高級紅茶を取引しています。スリランカは歴史的背景から世界有数の親日国で、私が訪問したときも大変温かく歓迎してくれました。そこで出会った企業から「ずっと日本と取引したかった」と声をかけられ、紅茶を扱うことになったのです。その紅茶は、茶の芽の先端部分だけを丁寧に摘み取ったもので、生産量が極めて少なく、アラブ諸国の富裕層の手に渡るためほとんど世界には流通していませんが、私たちはスリランカの老舗茶園「セント・クームズ農園」と長年に渡り交渉を重ね、正式に輸入契約を結ぶことに成功しました。

弊社事業のルーツは、島根大学で放送サークルを立ち上げ、学生支援の仕事を始めたことです。当時参加した起業家スクールで出会った大人たちから「君は才能があるから起業しなさい」と言われたことで起業し、マッチングサイトや学生向け情報発信サイトの運営、そしてラジオの生放送をしていました。そこでコミュニケーションスキルが磨かれ、色んな場所に呼んでいただけるようになりました。覚悟を決めて上京してからは、紹介してもらった人全員に会いに行くマイルールを自分に課し、人の輪がどんどん広がっていきました。東京の刺激的な街、人の多さ、生涯の師との出会い……。自分が今までどれだけ狭い世界で生きていたかを痛感しました。

基本的にはどんな依頼でも断らないことをポリシーにしています。人脈を通じて入ってくる仕事を引き受けているうちに、事業が多角的に広がっていきました。もちろん、物理的や経済的にどうしても無理なことはありますが、私が汗をかいたり人脈を使ったりすれば何とかなりそうなら、まずは引き受けます。私自身はアイデアマンではありませんが、行動力と継続力だけはあるので、人から面白そうな話が持ち込まれたら「ぜひ一緒にやろう」と即答します。そして、引き受けたからには関係者を裏切るわけにはいかないので、結果的に長く続く事業になるわけです。弊社を一言で表すならば、「頼まれごとは何でもやる会社」ですね。

  • 伊藤清治
  • 伊藤清治

スリランカへの感謝を体現

今は何よりもご縁を大切にしています。仕事はステークホルダーとの関係で成り立っているので、利益よりも人を重視しています。関わった人を不幸にしたくない、その思いが私の原動力です。スリランカの人々はこんなにも日本に親愛の情を向けてくれているのに、残念ながら日本人は、その事実や両国の歴史的背景をあまり知りません。この紅茶を両国の懸け橋として日本国内に広めることで、両国の関係を知ってもらい、思いのギャップを埋めていくことが私の仕事だと思っています。紅茶の商品名「STHUTHIY(ストゥーティー)」は、シンハラ語で「ありがとう」。両国のご縁に感謝を伝えたいという思いを込めました。

スリランカとの事業は、私の生涯をかけた夢プロジェクト。このご縁は一生モノだと思っているので、貿易に限らず何らかの形で関わっていきたいと考えています。現地の給料は日本の1/10くらいなので、私がもっと関わることでスリランカの人々を豊かにできると信じています。そして、これまで島根と東京で培ってきたことを伝えていきながら、次世代の育成にも力を入れていきたいです。目指す在り方は、スマートで配慮のある人。中でもお金ほどその人の本性を表すものはないと思っているので、お金をたくさん持っていても生活のごく一部としてスマートに使いこなせる人に憧れています。お金の匂いがしなくて、お金の使い方をよく知っていて、謙虚な人を目指しています。

少子高齢化、AI(人工知能)の台頭など、世の中は私が子どもの頃には信じられなかった姿に変わっています。何でもすぐに検索できるので、今や「知っていること」には価値を感じられない世の中になりました。その上でこの先の時代に必要なのは、自分らしく唯一無二の存在になること。そのためにも、若者の皆さんには、自分が何をしたいのかを明確に自覚できる人間になってほしいと思います。向かいたい方向さえ分かっていれば、今は実現させるためのツールはあふれています。私もようやく「自分は何者か」を分かってきましたが、これは大きな気付きです。数年後、あなたが自分らしく開花したら、ぜひ一緒に何かやりましょう。その日を楽しみにしています。

ページの先頭へ

Loading...